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AWS ソリューションアーキテクト - アソシエイト(SAA-C03)
問題ID : 36551
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あるスタートアップ企業は、毎月の利用量が大幅に変動する大規模なデータ解析ワークロードを実行している。ワークロードは中断可能なタスクからなり、毎月初めの数日間はピークを迎え、その後は利用頻度が低くなる傾向がある。企業は、将来的な成長に備えてワークロードの動的な要求を受け入れつつも、長期的な契約は避けできるだけコストを削減したいと考えている。これらの要件に基づいた最適なEC2インスタンスの購入オプションはどれか。

正解

オンデマンドインスタンスとスポットインスタンスの併用

解説

この問題を解決するために、以下の要件を満たす最適なEC2インスタンスの購入オプションを選ぶ必要があります。
「大幅に変動する利用量に対応できる柔軟性」
「ワークロードは中断可能なタスクからなる」
「ピーク時には多くのリソースが必要とされるが、それ以外の時間は少ないリソースで済む」
「長期的な契約は避けできるだけコストを削減したいという要望」

オンデマンドインスタンスをベースラインとして使用し、追加のコンピューティングリソースが必要な場合に限ってスポットインスタンスを利用することにより、ピーク時にはスポットインスタンスを使用してコストを大幅に削減し、ピークが過ぎた後はオンデマンドインスタンスで最低限の運用を続けることができるます。この組み合わせの購入オプションを利用することで、ワークロードの動的な要求に柔軟に対応しつつコストを削減できます。

したがって正解は以下となります。
オンデマンドインスタンスとスポットインスタンスの併用

その他の選択肢については、以下の通りです。

・オンデマンドインスタンスのみ
ピーク時には迅速にスケールアップできますが、すべてをオンデマンドインスタンスを使用するのはコストが最も高くなります。よって誤りです。

・リザーブドインスタンスのみ
予測可能な使用量に対してはコスト効率が良いですが、利用量の大幅な変動には柔軟に対応できません。また予測に基づく長期的な契約が必要になります。よって誤りです。

・スポットインスタンスのみ
コストは最も低いですが、入札価格が市場価格を下回るとインスタンスが失われるリスクがあります。最低限必要なインスタンスも確保できなくなる可能性があり、スポットインスタンスだけの運用は難しいです。よって誤りです。

・リザーブドインスタンスとオンデマンドインスタンスの併用
コスト効率と柔軟性のバランスは取れますが、追加で必要な分をオンデマンドインスタンスで補うのは費用がかかります。またリザーブドインスタンスは予測に基づく長期的な契約が必要になります。よって誤りです。

・リザーブドインスタンスとスポットインスタンスの併用
最小限の負荷に対してリザーブドインスタンスを使用し、ピーク時にスポットインスタンスを利用することでコストを抑えられますが、リザーブドインスタンスは予測に基づく長期的な契約が必要になります。よって誤りです。

参考

【EC2インスタンスの購入オプション】
EC2インスタンスには、利用目的に基づいてコストを最適化するために複数の購入オプションがあります。インスタンスが稼働するハードウェアを他AWSアカウントと共用するか否かで「共用ハードウェアを使用するインスタンス」と「ハードウェアを専有するインスタンス」に分けられます。

【共有ハードウェアを使用するインスタンスの購入オプション】
以下の購入オプションは、他のAWSアカウントとハードウェアを共有して利用します。

〇オンデマンドインスタンス
インスタンスの起動時間に基づいた料金体系で、EC2インスタンスのデフォルトの購入オプションです。開発環境など、利用が短期間のシステムに適しています。

〇リザーブドインスタンス
1年もしくは3年の長期契約を結ぶことによって、オンデマンドインスタンスよりも低価格で利用できる購入オプションです。1年以上にわたり継続して稼働するシステムに適しています。リザーブドインスタンスは、1年契約より3年契約、前払い無しより前払い有りの方が割引率が高いです。
リザーブドインスタンスには2つの種類があります。

・スタンダードリザーブドインスタンス(標準RI)
契約の途中でOSやインスタンスタイプを変更できない代わりに、コンバーティブルリザーブドインスタンスと比較して割引率がより高くなっています。

・コンバーティブルリザーブドインスタンス(コンバーティブルRI)
スタンダードリザーブドインスタンスと比べて割引率が低い代わりに、条件が合えば契約の途中でOSやインスタンスタイプを変更できます。

〇Savings Plans
1年もしくは3年の期間、一定のサービス使用量(1時間あたりの利用料金)を決めて契約することで、オンデマンドインスタンスよりも低価格になる購入オプションです。リザーブドインスタンスは購入時にOSやインスタンスタイプを指定する必要がありますが、Savings Plansはそのような指定が不要で、契約途中に変更も可能です。また、Savings PlansはEC2に加えてLambda、Fargateにも割引を適用させるプランもあり、柔軟性の高いオプションです。

〇スポットインスタンス
AWS内で使用されていないEC2インスタンスを低価格で利用できる購入オプションです。EC2インスタンスの購入オプションの中で、もっとも割引率が高いです。
スポットインスタンスの価格は、AZ内の各インスタンスタイプの需要と供給バランスに基づいて決定されます。インスタンスの需要が急増するか供給が不足する場合、インスタンスが中断されるリスクがあります。このため、インスタンスの中断が許容されるシステム(例:並列バッチ処理の一部のインスタンスなど)に向いています。

スポットインスタンスには複数のオプションがあります。その中の「スポットフリート」は必要なインスタンス数を指定することで、指定した数のスポットインスタンスが起動します。スポットインスタンスが中断されて必要なインスタンス数を下回った場合、自動的にインスタンスを補充してインスタンス数を維持します。補充されるインスタンスにはオンデマンドインスタンスも含まれます。

[共有ハードウェアを使用するインスタンスの購入オプション一覧]


【ハードウェアを専有するインスタンスの購入オプション】
以下の購入オプションは、AWSアカウント内でハードウェアを専有して利用します。

〇ハードウェア専有インスタンス
ハードウェア専有インスタンスは、他のAWSアカウントとは分離された専用ハードウェアでEC2インスタンスを利用できる購入オプションです。物理的なCPUソケット、コア数、ホストIDは確認できません。ハードウェア専有インスタンスは、同AWSアカウントのハードウェア専有インスタンスではないインスタンスと、ハードウェアを共有する可能性があります。

〇専有ホスト(Dedicated Hosts)
Dedicated Hosts(専有ホスト)は、他のEC2インスタンスとは分離された専用ハードウェアで利用できる購入オプションです。物理的なCPUソケット、コア数、ホストIDを確認できます。Dedicated Hostsのハードウェアには、ユーザーが指定したインスタンスのみ配置されます。
例えば、CPUソケットや物理コア、仮想マシンごとに割り当てられたソフトウェアライセンスを保有している場合に、Dedicated Hosts契約のインスタンスを利用します。
Dedicated HostsはEC2インスタンスを利用する上で、もっとも購入価格が高いオプションです。

[ハードウェアを専有するインスタンスの購入オプション一覧]


[共有ハードウェアインスタンスと、ハードウェアを専有するインスタンスのイメージ]

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日本語の問題かもしれませんが・・

公開日 2024/02/28

問題:
あるスタートアップ企業は、毎月の利用量が大幅に変動する大規模なデータ解析ワークロードを実行している。ワークロードは中断可能なタスクを含み、毎月初めの数日間はピークを迎え、その後は利用頻度が低くなる傾向がある。企業は、将来的な成長に備えてワークロードの動的な要求を受け入れつつも、長期的な契約は避けできるだけコストを削減したいと考えている。これらの要件に基づいた最適なEC2インスタンスの購入オプションはどれか。
・リザーブドインスタンスとスポットインスタンスの併用
・オンデマンドインスタンスとスポットインスタンスの併用
・リザーブドインスタンスとオンデマンドインスタンスの併用
・オンデマンドインスタンスのみ
・リザーブドインスタンスのみ
・スポットインスタンスのみ

問題に「ワークロードは中断可能なタスクを含み」と記載があり
中断可能なタスクを含む=中断NGのタスクも含む=スポットインスタンスNGと解釈しましたが
正解は「オンデマンドインスタンスとスポットインスタンスの併用」でした。

「ワークロードは中断可能なタスクであり」という表現でしたらスポットインスタンスOKと解釈できましたが
正解に向けてどう考えるべきでしょうか?

2024/02/28 10:56

早速のご確認ありがとうございました。


コメント

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スタッフからの返信

s staff_kuroyanagi

2024/02/28 10:23

shia125様 ご指摘の点を修正しました。 ご報告いただき、誠にありがとうございます。

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