【 様々なオープンソースアプリケーション 】
Linuxはオープンソースソフトウェア（OSS：Open Source Software）として幅広く利用されているソフトウェアの一つです。OSSとは、ソースコード（中身のつくり）が公開されているほか、ソフトウェアの利用や再頒布などが自由に行えるソフトウェアをいいます（詳細は分野「オープンソースソフトウェアとライセンス」を参照してください）。
LinuxのようなOSのほかにも、個人がパソコン上で利用するデスクトップアプリケーションや、様々なサービスを提供することができるサーバーアプリケーションなど、OSSとして公開されているアプリケーションは多岐に渡ります。

●デスクトップアプリケーション
業務でパソコンを使用する際、文書作成や表計算、プレゼンテーションの作成や実施を行うために、専用のソフトウェアを利用することは今や求められるスキルの一つになってきました。
これらのアプリケーションソフトウェア（応用ソフトウェア）は、「デスクトップアプリケーション」または「アプリケーション」などとも呼ばれ、パソコンにインストールすることで利用できるようになります。
なお、パソコンにインストールすることなくweb上で利用できるアプリケーションを「ウェブアプリケーション」と呼びます。

デスクトップアプリケーションとして有名なものの一つに「Microsoft Office（MS Office）」があります。表計算用のExcel、文書作成用のWord、プレゼンテーション用のPowerPointなどがセットになったものですが、Linuxには対応していません。
Linuxでこれらを実現するためのソフトウェアに「OpenOffice.org」がありました。MS Officeと違ってオープンソースかつ無償で配布されていましたが、2011年にプロジェクトが終了し、現在は「Apache（アパッチ） OpenOffice」「LibreOffice（リブレオフィス）」が後継プロジェクトとして存在しています。

その他のデスクトップアプリケーションとしては以下のようなものがあります。


●サーバーアプリケーション
デスクトップアプリケーションはいわば個人で使用するものです。例えばThunderbirdでは電子メールを送信したり受信したメールを自分で管理するなど、個人で利用する範囲の機能が提供されています。
一方、Webサーバーやデータベースなどのサーバー用の機能を提供するアプリケーションを「サーバーアプリケーション」といいます。サーバーとはサービスの提供者を意味する言葉で、例えば電子メールの送受信を行うメールサーバーやWebサービスを提供するWebサーバー、データ管理を行うデータベースサーバーなど様々なサーバーが存在します。


以下は代表的なサーバーアプリケーションです。


コンピュータにサーバーアプリケーションを導入することにより、Webサーバーやデータベースサーバーの機能を持たせることができます。また、複数のアプリケーションを導入することで複数の機能を兼ねることもできます。

●その他のオープンソースソフトウェア
OSSには上述したもののほかにも、既存のサービスをOSSとして再実装することで自由に使いたい、という目的の物もあります。

Google DriveやiCloud、Dropboxといった「オンラインストレージ」サービスは、GoogleやDropboxなどの企業が提供するサービスです。これらのサービスと同等の機能を自分たちの管理下で自由に使えるようにするOSSに「ownCloud（オウンクラウド）」や「Nextcloud（ネクストクラウド）」があります。これらのOSSはデータを実際に格納するサーバー側の機能と、PCやスマートフォンにインストールするクライアント機能の両方ともOSSとして提供されています。