内部統制とは、企業などの組織内で、業務が適正かつ効率的に行われるようにするための仕組みや手続きのことです。不正や誤りを防ぎ、財務報告の信頼性を確保することを目的としています。

不正防止を目的とした職務分掌とは、一つの業務を複数の担当者や部署に分けて行うことで、単独の担当者による不正を防止する内部統制の手法です。

・申請者は自身の申請を承認できないようにする。
申請者と承認者を分離することで、申請者が不正な申請を自分で承認することを防止できます。例えば、経費の申請者は、自分の申請を承認する権限を持たないようにすることで、不正な経費申請を防ぐことができます。

・申請部署と承認部署の役員を兼務させる。
申請部署と承認部署の役員を兼務させると、申請と承認が同一人物によって行われる可能性があり、不正防止の観点から適切ではありません。

・一つの業務を複数の担当者が手分けして行う。
一つの業務を複数の担当者が手分けして行うことで、業務の効率化を図ることはできますが、不正防止の観点からは、各担当者が相互にチェックする機能が働かないため、適切ではありません。

・一つの業務を複数の部署で分散して行う。
一つの業務を複数の部署で分散して行うことで、業務の効率化を図ることはできますが、不正防止の観点からは、各部署が相互にチェックする機能が働かないため、適切ではありません。

以上の解説から、正解は「申請者は自身の申請を承認できないようにする。」となります。