助け合いフォーラム

LPIC

LPIC Lv1-101(Ver5.0)
問題ID : 3617
問題を開く
systemctlコマンドを使って、postfixサービスに設定ファイルを再読み込みさせたい。正しいコマンドはどれか。ただし、サービスは再起動させないものとする。

正解

systemctl reload postfix

解説

systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。

systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます

主なサブコマンドの一覧


サービスに設定ファイルを再読み込みさせるには、reloadサブコマンドを使用します。

よって正解は
・systemctl reload postfix
です。

実行例:


その他の選択肢については以下のとおりです。

・systemctl restart postfix
設定ファイルは再読み込みされますが、サービスを再起動させるサブコマンドのため誤りです。

・systemctl reboot postfix
「systemctl reboot」はシステムを再起動させるサブコマンドのため誤りです。

・systemctl postfix reload
書式が誤っています。

・systemctl postfix reconfig
書式が誤っています。また、存在しないサブコマンドのため誤りです。

参考

systemdはSysVinitを置き換える新しいinitの仕組みです。systemdでは以下のデーモンプロセスが連携して動作しています。


systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。


また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。

systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。

シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)

SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。


これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。

ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。


各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。

systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます

主なサブコマンドの一覧


実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動

上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。

自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。


サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。

上に戻る

正解に誤りがあるかもしれない

公開日 2022/11/16

systemctl restartでも設定ファイルの再読み込みは可能だと思います。この場合、reloadだけでなくrestartも正解とカウントする方が正しいのではないでしょうか。
restartはサービス再起動するサブコマンドなため誤り(=設定ファイルの再読み込みは実行されない?)という解説は誤解があり不親切かと思いました。

スタッフからの返信

s staff_meg

2022/11/16 09:59

sichinoseさん、 ご指摘の点を修正致しました。 ご報告、誠にありがとうございました。

この投稿に対して返信しませんか?