助け合いフォーラム
LPIC Lv1-101(Ver5.0)
問題ID : 3619
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systemdの動作するシステムにおいて、次回起動時にメンテナンスを行うために最低限のシステムサービス状態で起動させたい。次回起動時のターゲットとしてどれを指定すればよいか(2つ選択)
正解
rescue.target
runlevel1.target
解説
systemdが動作するシステムにおいて、起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
最低限のシステムサービス状態で起動するには、シングルユーザーモード(ランレベル1)を指定することになります。
よって正解は、
・rescue.target
・runlevel1.target
です。
その他の選択肢については以下のとおりです。
・single.target
・maintenance.target
そのようなターゲットはないため、誤りです。
・multi-user.target
提供しているサービス群を起動するターゲット(ランレベル2,3,4に相当)のため、誤りです。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
最低限のシステムサービス状態で起動するには、シングルユーザーモード(ランレベル1)を指定することになります。
よって正解は、
・rescue.target
・runlevel1.target
です。
その他の選択肢については以下のとおりです。
・single.target
・maintenance.target
そのようなターゲットはないため、誤りです。
・multi-user.target
提供しているサービス群を起動するターゲット(ランレベル2,3,4に相当)のため、誤りです。
参考
systemdはSysVinitを置き換える新しいinitの仕組みです。systemdでは以下のデーモンプロセスが連携して動作しています。
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。
シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)
SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。
各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。
systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます
主なサブコマンドの一覧
実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動
上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。
自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。
サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。
シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)
SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。
各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。
systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます
主なサブコマンドの一覧
実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動
上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。
自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。
サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。
参考URL
targetに関するmanualの検索
u
urax00
投稿日 2023/11/21
target関連のmanualは、systemd.specialのようなのですが、"man -K rescue.target"としても、"No manual entry for rescue.target"と表示され検索が引っ掛かりません。
$ man -K rescue.target
No manual entry for rescue.target
一方、"man systemd.special"とすると正しい内容が検索できます。
$man systemd.special
使用している環境は、Ubuntu 22.04.2 LTS (Jammy Jellyfish)でして、WSL上で動かしています。
調べ方がおかしいのかと思うのですが、アドバイスいただけると助かります。
2023/11/21 20:19
man man
の-K
オプションの説明によると、高速化のために-K の検索は、man ページとしてレンダリングされるテキストではなく、ソースに対して行われるそうです。
man systemd.special
のソースは/usr/share/man/man7/systemd.special.7.gz です。これを展開して中身を見てみると、rescue.target のところは
rescue\&.target,
と書いてありました。そこでman -K 'rescue\&.target'
と実行してみたら検索できました。
実用的ではないですが、検索できない理由としてはこういうことのようです。
コメント
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u urax00
2023/12/28 12:38
情報ありがとうございます。 とても勉強になりました!!