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AWS

AWS ソリューションアーキテクト - アソシエイト(SAA-C03)
問題ID : 30368
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AWS CloudFormationスタックセットの説明として正しいものはどれか。

正解

スタックセットを利用して、複数のリージョンもしくは複数のAWSアカウントで同一のCloudFormationスタックを作成できる

解説

AWS CloudFormationで作成したテンプレートを基に、複数のAWSアカウントもしくは複数のリージョンでスタックを構築したい場合には「スタックセット(StackSets)」を利用します。管理者アカウントで作成したテンプレートを利用して、ターゲットアカウント(プロビジョニングを行うアカウント)とプロビジョニングを行うリージョンを指定することで、一度の操作で複数の同じ環境を構築できます。
テスト環境を複数構築したい場合や、新たにアカウントを払い出す際に下準備となる操作(IAMやセキュリティグループの設定など)をスタックセットとして作成しておく、といった利用ができます。

以上より正解は
・スタックセットを利用して、複数のリージョンもしくは複数のAWSアカウントで同一のCloudFormationスタックを作成できる
です。

その他の選択肢については以下の通りです。

・AWSリソースをスタックセットとして扱うことにより一括管理する
・CloudFormationにおけるAWSリソースを管理する単位であり、作成・削除などはスタックセット単位で行われる
いずれも「スタック」の説明ですので誤りです。
スタックとはCloudFormationにおけるAWSリソースを管理する単位のことで、作成・更新・削除等の操作はスタック単位で行われます。

・JSONまたはYAML形式で記述されたAWSリソースの設計書である
テンプレートの説明ですので誤りです。

参考

【AWS CloudFormation】
AWS CloudFormationはAWSクラウド上での環境構築を自動で行うサービスの1つです。自動的に構築を行うサービスとしては他に「Elastic Beanstalk」などがあります。

CloudFormationではElastic Beanstalkより多くのAWSサービスに対応しており柔軟な構成を組むことができますが、その分各AWSサービスやロードバランサーなどのインフラストラクチャ(基盤)技術についての知識も必要です。

※JSON、YAMLとは、どちらもテキスト形式のデータ定義言語です。記述方式に差異はありますが、いずれも人間が記述しやすく、また読みやすい形式の言語です。


CloudFormationはいわゆるIaC(Infrastructure as Code)です。IaCとは、仮想化されたサーバーやデータベース、ネットワーク構成などの環境をコード(コンピュータが処理可能な形式)で定義し、それを実行することによって再現(構築)するという技術をいいます。IaCのメリットには、例えば以下のようなものがあります。
・同じ作業を別の人間が実施できる
・同じ、または似た構成の環境を何度も作成できる
・環境がコード化されていることにより、リソース量やパラメータなど環境の変更管理が容易になる
CloudFormationではほぼすべてのAWSリソースをコード化することができます。EC2やELBなどサーバー環境の構築だけでなくAmazon CloudWatchなど運用支援のサービスも含まれているため、CloudFormationを利用することで構築および運用を自動化することができます。

●テンプレートとスタック
以下はCloudFormationの利用イメージです。


CloudFormationを利用し始めるには、ユーザーはまず「テンプレート」というコードを作成します。テンプレートはJSONまたはYAML形式で書かれたコードです。テンプレートは、例えばEC2インスタンスのインスタンスタイプやRDBのパラメータの定義など、AWSリソースをどのように利用するか、という設計図にあたります。
テンプレートを作成した後は、CloudFormationに読み込ませることによりAWSリソースがプロビジョニング(構築)されます。このときAWSリソースは「スタック」という単位で管理されます。
例えばWebアプリケーションをリリースしたい場合、CloudFormationのテンプレートにはEC2インスタンスやS3など必要なAWSリソースを定義し、プロビジョニングします。Webアプリケーションが不要になった場合、(一つ一つのAWSリソースではなく)プロビジョニングしたスタックをすべて削除することで、Webアプリケーションとして利用していたリソースを削除することができます。
スタックは1つのテンプレートから複数作成することもできます。またスタックを削除した場合も、テンプレートからもう一度同じスタックを作成することも可能です。
なお、上例では複数のAWSリソースを定義していますが、VPCだけ、EC2インスタンスだけ、といったプロビジョニングも可能です。

テンプレートは自分で作成することも可能ですが、AWSによって配布されているサンプルを利用したり、マネジメントコンソールからGUIで作成することもできます。


●サービスロール
サービスロールは、CloudFormationに対して、ユーザーの代わりにスタック内のリソースを操作する許可を与えるためのIAMロールで、スタックの定義時に指定することができます。
サービスロールを指定すると、CloudFormationはスタックで実行されるすべての操作にこのロールの権限を使用します。これにより、ユーザーが直接各リソースに対するアクセス権限を持っていなくても、AWSリソースのプロビジョニングを行うことができます。

●スタックセット
AWS CloudFormationで作成したテンプレートを基に、複数のAWSアカウントで、または複数のリージョンでスタックを構築したい場合には「スタックセット(StackSets)」を利用します。管理者アカウントで作成したテンプレートを利用して、ターゲットアカウント(プロビジョニングを行うアカウント)とプロビジョニングを行うリージョンを指定することで、一度の操作で複数の同じ環境を構築できます。
テスト環境を複数構築したい場合や、新たにアカウントを払い出す際に下準備となる操作(IAMやセキュリティグループの設定など)をスタックセットとして作成しておく、といった利用ができます。

【AWS Service Catalog】
AWS Service Catalogは、主にCloudFormationテンプレートを製品として登録し、他のAWSユーザーへ共有できるサービスです。共有先のAWSユーザーは、セルフサービスで製品からAWS環境をデプロイ(構築)できます。製品の管理者は、製品のバージョンや、製品がいつ・誰に使用されたかを一元的に管理できるので、共有するAWS環境の一貫性とコンプライアンスを維持できます。


例えば、システム管理者が構築したAWS環境をService Catalogに登録してアプリケーション開発者に共有することで、アプリケーション開発者は容易に自身のAWSアカウント内に開発環境をデプロイできます。また、システム管理者は共有したAWS環境のバージョンや使用履歴を一元管理できます。

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正解とされている選択肢の文章が不自然

公開日 2023/12/19

選択肢:複数のリージョン、複数のAWSアカウントで同一のCloudFormationスタックを作成できる

の文章が不自然だと思う。
次のようであるべきなのでは?

複数のリージョン、複数のAWSアカウントで同一のCloudFormationスタックを利用できる
あるいは、
複数のリージョン、複数のAWSアカウントで利用できる同一のCloudFormationスタックを作成できる

2023/12/20 10:26

スタックはスタックセットで定義されたAWSリソースのグループなので「複数のリージョン、複数のAWSアカウントで同一のCloudFormationスタックを作成できる」に不自然さを感じないのですが…。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSCloudFormation/latest/UserGuide/stacksets-concepts.html#stacksets-concepts-stackset

スタックセットでは、1 つの CloudFormation テンプレートを使用して、複数のリージョンの AWS アカウント にスタックを作成できます。

https://dev.classmethod.jp/articles/introducing-cloudformation-stacksets/#toc-1

CloudFormation StackSetsを使うことで、1つのテンプレートから複数のAWSアカウント、リージョンに対しStackを作成することが可能です。


コメント

w whitebeard

2023/12/21 08:26

問題の本質を考えると「同一のスタック作成できるとこ」よりも、 「同一のスタックを利用する」ことに重きを置いているように感じたからです。

b birdpixy

2023/12/21 15:31

なるほど、「スタックセットの説明」として考えると確かに違和感がありますね

w whitebeard

2023/12/24 15:14

こうしたフォーラムがあるおかげで知識が深まりました。 ありがとうございます。

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スタッフからの返信

s staff_satomi

2023/12/21 15:37

whitebeard様 birdpixy様 ご指摘の点を修正いたしました。 ご報告いただきまして、誠にありがとうございます。

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