助け合いフォーラム
正解
killall -SIGTERM mycommand
killall -s 15 mycommand
解説
指定したコマンドを実行している全てのプロセスに対してシグナルを送るには、killallコマンドを利用します。
killallコマンドの書式と主なシグナル名およびシグナル番号は以下のとおりです。
killall [-シグナル名または-シグナル番号] プロセス名(コマンド名)
または
killall -s [シグナル名またはシグナル番号] プロセス名(コマンド名)
上表より、適切なシグナルはTERM(SIGTERM)です。TERM(SIGTERM)シグナルは、プロセスが開いているファイルを閉じるなどの作業(クリーンアップ)を行ってからプロセスを終了します。
なお、killall、pkill(およびkill)コマンドでシグナルを指定しない場合は、デフォルトでこのシグナルが使用されます。
したがって正解は
・killall -SIGTERM mycommand
・killall -s 15 mycommand
です。
なお、以下のコマンドは全て同じ動作をします。
・pkill mycommand(「mycommand」を含む検索パターン)
・killall mycommand
・killall -15 mycommand
・killall -TERM mycommand
・killall -SIGTERM mycommand
・killall -s 15 mycommand
・killall -s TERM mycommand
・killall -s SIGTERM mycommand
その他の選択肢については次のとおりです。
・pkill mycommand
pkillコマンドではプロセス名(コマンド名)に検索パターンを指定するので、「mycommand」という文字列を含む全てのコマンドを実行しているプロセスが対象となります。よって不適切です。
・kill mycommand
・kill -15 mycommand
これらkillコマンドは、プロセスID(PID)を使用してプロセスにシグナルを送るコマンドですので、誤りです。
参考
また、pgrepコマンドで実行中のプロセスから特定の名前を持つプロセスIDを検索することができます。
pgrepコマンドの書式は以下のとおりです。
pgrep [ オプション ] 検索パターン
実行例:
検索パターンには拡張正規表現が指定できます。-lオプションを使うと、検索パターンにマッチしたプロセス名も表示されます。
特定のユーザーや権限が実行したプロセスのみを検索対象とすることもできます。
-Uオプションにユーザー名やユーザー識別子(UID)を指定すると、そのユーザーが実行したプロセスを検索できます。
-uオプションに実効ユーザー(実際の権限)名や実効ユーザー識別子(EUID)を指定すると、その権限で動作しているプロセスを検索できます。
以下はプログラムのパーミッションなどによって実ユーザーや実効ユーザーが変わる例です。
kill、killall、pkillコマンドで、プロセスに終了や再起動などのシグナル(命令)を送ることができます。kill、killall、pkillコマンドの書式と主なシグナル名およびシグナル番号は以下のとおりです。
kill [-シグナル名または-シグナル番号] プロセスID
または
kill -s [シグナル名またはシグナル番号] プロセスID
killall [-シグナル名または-シグナル番号] プロセス名(コマンド名)
または
killall -s [シグナル名またはシグナル番号] プロセス名(コマンド名)
pkill [-シグナル名または-シグナル番号] プロセス名(コマンド名)
または
pkill --signal [-シグナル名または-シグナル番号] プロセス名(コマンド名)
killコマンドはプロセスID(PID)を使用して単一のプロセスにシグナルを送りますが、killallコマンドはプロセス名(コマンド名)を使用して、同じプロセス名の全てのプロセスに対してシグナルを送ります。
例) kill -SIGHUP 1133
例) killall -SIGHUP mycommand
また、pkillコマンド、もしくはkillallの-rオプションを使うことで、プロセス名を拡張正規表現で指定してシグナルを送ることができます。
例)
また、killコマンドはジョブ番号を指定し、ジョブにシグナルを送る事もできます。ジョブ番号は「%ジョブ番号」と指定します。
例) kill %2
ジョブ番号はjobsコマンドで確認することができます。先頭の[ ]内の数値がジョブ番号です。
問題文が誤解を招く表現なので直してほしい
問題文が「mycommand」コマンドを実行している全てのプロセスをクリーンアップして終了させたい。
となっていますが
「mycommand」コマンドのみを実行している全てのプロセスをクリーンアップして終了させたい。
と変えたほうが個人的にはpkill mycommandが間違いだと分かりやすくていいと思います。
この問題文だと人によって捉え方が違ってしまうと思います。
解説の方は
pkill mycommandが正しくない理由がちゃんと述べられていて問題ないです。
Linuxシステムの管理において、基本的にはより安全で確実な方法を選ぶべきだと思われます。予期せぬプロセスを誤って終了させてしまうリスクは避けるべきで、コマンド名が似ているだけのプロセスまで終了させてしまうのは危険です。
pkillを選びたくなる気持ちも少しわかるのですが、ユーザが作成したコマンドであろう「mycommand」の他に似た名前のコマンドがあるとは示されていませんし、そういったコマンドがあったとしても処理内容が全く異なる可能性がありますので、不明なコマンドをまとめて止めることは推奨されないと思います。
この問題の意図は、killallの機能詳細や「killall -SIGTERM」と「killall -s 15」が同じ機能をもつことの学習と推測されます。
(正答できない=学習が完了していない=まだ受験すると危ない
※教材の問題は、一発正答するためのものではなく「解説内容のポイントを理解・記憶できるようになったら正答でき、受験時の得点も増える」繰り返し使うツール)
正答数が2つと明示されており、pkillの選択肢は1つのみですので、もう一つが存在せず選べない=誤答を選んだまま進んで失点にはならない、はず…
選択肢全てをざっと見る習慣も学習時・受験時ともに役立つと思います。
コメント
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u uri160
2024/04/06 11:58
あるいは ただし、「mycommand2」などは終了させたくない といった文面を後に加えるのもいいと思います。