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Cisco

CCNA(200-301)
問題ID : 8360
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下記ネットワークではOSPFが動作している。 全てのルータで隣接関係を確立し、コンバージェンスしている場合のそれぞれのステートについて正しい記述はどれか(3つ選択)

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FULLの選出について

公開日 2024/08/12

R1がFULLとあるのですが、R2はFULLとならない理由は何でしょうか。(どこからの視点で2WayなのかFULLなのかを考えたらよいか分からず、R4やR3からの視点ではR1もR2もFULL/DOROTHERになり、R1やR2からの結果では2WAY/DOROTHERになるかと思いR1とR2の違いが良く理解できませんでした)

2024/08/13 09:27

この環境から読み取るべき前提は

  • ブロードキャストネットワークである(スイッチで集約された Ethernet)
  • ルータ ID はそれぞれの Fa1/0 のアドレス(Loopback や router-id の記載がない)
  • 条件がないので、OSPF の各種原則に従う(起動した順番や再起動したという情報はない)

上記の前提に立つと以下の話が見えてきます。

  • DR/BDR が存在する(ブロードキャスト)
  • DR/BDR の選出は IP アドレス順(ルータ ID 選出のルール)

そうすると、誰がどういう役割になるかが見えて

  • DR: R4(ルータ ID が最も大きい)
  • BDR: R3(ルータ ID が2番目に大きい)
  • DROTHER: R1, R2(DR/BDR どちらでもない)

となります。
ここで参考の【OSPFでよく使われる用語】を見るとそれぞれ以下のような隣接関係を結ぶことが確認できます。

  • DR: 全 OSPF ルータと隣接関係を構築する
  • BDR: 全 OSPF ルータと隣接関係を構築する
  • DROTHER: DR、BDR と隣接関係を構築する

そうすると、

  • R1: R4(DR), R3(BDR) と隣接関係を構築する(R2 とは結ばない)
  • R2: R4(DR), R3(BDR) と隣接関係を構築する(R1 とは結ばない)
  • R3: R1/R2(DROTHER), R4(DR) と隣接関係を構築する
  • R4: R1/R2(DROTHER), R3(BDR) と隣接関係を構築する

ということが言えることがわかります。では隣接関係を結ばない相手とはどうなるのかというと、ここも参考の【OSPFステート】を見るとわかります。

2WAY・・・お互いに認識した状態

「R1 は R2 のことを知っているが隣接関係を結ばない」というのがまさにこのステートです。ですのでそれぞれのルータの状態を 2WAY も含めてまとめるとこうなります。(私の手元の環境での表示結果も一緒につけてみます)

  • R1: R2(2WAY), R3(FULL), R4(FULL)
R1#show ip ospf neighbor

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
192.168.1.2       1   2WAY/DROTHER    00:00:32    192.168.1.2     GigabitEthernet0/0
192.168.1.3       1   FULL/BDR        00:00:33    192.168.1.3     GigabitEthernet0/0
192.168.1.4       1   FULL/DR         00:00:34    192.168.1.4     GigabitEthernet0/0
  • R2: R1(2WAY), R3(FULL), R4(FULL)
R2#show ip ospf neighbor

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
192.168.1.1       1   2WAY/DROTHER    00:00:36    192.168.1.1     GigabitEthernet0/0
192.168.1.3       1   FULL/BDR        00:00:31    192.168.1.3     GigabitEthernet0/0
192.168.1.4       1   FULL/DR         00:00:32    192.168.1.4     GigabitEthernet0/0
  • R3: R1(FULL), R2(FULL), R4(FULL)
R3#show ip ospf neighbor

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
192.168.1.1       1   FULL/DROTHER    00:00:31    192.168.1.1     GigabitEthernet0/0
192.168.1.2       1   FULL/DROTHER    00:00:34    192.168.1.2     GigabitEthernet0/0
192.168.1.4       1   FULL/DR         00:00:37    192.168.1.4     GigabitEthernet0/0
  • R4: R1(FULL), R2(FULL), R3(FULL)
R4#show ip ospf neighbor

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
192.168.1.1       1   FULL/DROTHER    00:00:38    192.168.1.1     GigabitEthernet0/0
192.168.1.2       1   FULL/DROTHER    00:00:31    192.168.1.2     GigabitEthernet0/0
192.168.1.3       1   FULL/BDR        00:00:33    192.168.1.3     GigabitEthernet0/0

のようになるということですね。

個人的にですが、Flash での動画が見れなくなってはいるもののここの説明が割と段階を追って説明してくれてるので、この問題の理解の助けになるんじゃないかなと思います。

30分間ネットワーキング:第6回OSPF(2) DRとBDR
https://www5e.biglobe.ne.jp/aji/30min/06.html


コメント

s summit

2024/08/15 00:15

段階を分けて分かりやすく解説頂きありがとうございます。ステートの考え方がより理解できました。また設問についても、R1とR4の関係など選択肢ごとで見てみると上記解説の通りに回答が導けると納得できました

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