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Cisco

CCNA(200-301)
問題ID : 29299
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下図のSwitchに「switchport trunk allowed vlan add 110」を設定したときの動作について、正しい記述はどれか(3つ選択)

正解

VLAN50のトラフィックがfa0/1を通過できる

VLAN110のトラフィックがfa0/1を通過できる

VLAN200のトラフィックがfa0/1を通過できない

解説

「switchport trunk allowed vlan add 110」はトランクポートを通過できるVLANにVLAN110を追加しています。コマンド実行の前後は下図のようになります。「Trunking VLANs Enabled:」に記載のないVLANのトラフィックはトランクポートを通過できません。


よって正解は
・VLAN50のトラフィックがfa0/1を通過できる
・VLAN110のトラフィックがfa0/1を通過できる
・VLAN200のトラフィックがfa0/1を通過できない
です。

【コマンド構文:トランクポートを通過できるVLANの変更】


その他の選択肢については、以下の通りです。
・VLAN50のトラフィックがfa0/1を通過できない
「add」オプションを使用しているので、すでに許可されていたVLANには影響ありません。

・VLAN110のトラフィックがfa0/1を通過できない
「add」オプションを使用しVLAN110を許可しています。VLAN110のトラフィックはトランクポートを通過できるようになります。

・VLAN200のトラフィックがfa0/1を通過できる
設定前の「Trunking VLANs Enabled:」に「200」はないので、VLAN200のトラフィックはトランクポートを通過できません。「add」オプションで追加したのはVLAN110ですので、VLAN200のトラフィックはトランクポートを通過できないことは変わりません。

参考

【アクセスポートとトランクポート】
スイッチのポートは、どのVLANに対応しているかという観点で「アクセスポート」と「トランクポート」に分類されます。

・アクセスポート
1つのVLANに対応。エンドユーザーのPCを接続するポートなどに利用される。(デフォルトはVLAN1)

・トランクポート
複数のVLANに対応。スイッチ同士やスイッチとルータを接続(VLAN間通信の際に利用)するポートなどに利用される。
トランクリンクではIEEE 802.1Qを使用して、VLAN情報を識別します。

【図:アクセスポートとトランクポート】


【IEEE 802.1Q】
IEEE 802.1Qは、フレームにVLANタグを付けるための規格です。
フレームにVLANタグを付けることにより、スイッチ同士やスイッチとルータ間で送受信するフレームがどのVLANに属しているかを識別できるようになります。

IEEE 802.1Qの主な特徴は以下の通りです。
・IEEE標準規格
・送信元MACアドレスとタイプの間にタグフィールド(4byte)を追加
・FCSを再計算
・ネイティブVLAN(VLANタグを付けないフレーム)をサポート

【図:通常のEthernetフレームとIEEE 802.1Qフレーム】


【DTP】
DTP(Dynamic Trunking Protocol)は、スイッチとスイッチを接続したポートでネゴシエーションして、スイッチのポートを自動的にトランクポート、またはアクセスポートとして動作させるCisco独自のプロトコルです。

【コマンド構文:スイッチポートモード変更(DTPの設定)】
(config-if)#switchport mode {access | trunk | dynamic {auto | desirable}}


【スイッチポートモードの組み合わせ】


【コマンド構文:DTPの無効化】
(config-if)#switchport nonegotiate
対向のデバイスによってはDTPが正しく動作しないことがあります。(DTPをサポートしていないデバイスもあるため)
そのためトランクポートにする場合は、「switchport nonegotiate」でDTPを止めて「switchport mode trunk」で手動でトランクポートにすることが推奨されています。

【コマンド構文:VLANカプセル化方式の指定】
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q

【コマンド構文:トランクポートを通過できるVLANの変更】


【アクセスポートの設定例】
・Fa0/2をアクセスポートにして、VLAN20を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/2
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 20

・Fa0/5をアクセスポートにして、VLAN30を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/5
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 30

【トランクポートの設定例】
・Fa0/1のカプセル化方式を802.1Qにしてdynamic desirableモードにする
(対向とのネゴシエーションの結果トランクポートになる)
Switch(config)#interface FastEthernet 0/1
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode dynamic desirable

・Fa0/6のカプセル化方式を802.1Qにしてトランクポートにする
Switch(config)#interface FastEthernet 0/6
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode trunk

【アクセスポートとトランクポートの確認】
アクセスポートになっているのか、トランクポートになっているのかは「show vlan」「show interfaces trunk」「show interfaces status」「show interfaces switchport」などのコマンドで確認できます。
各コマンドの表示は以下のようになります。なお、いずれもFa0/1とFa0/6がトランクポートになっている場合の表示例です。

・show vlan
「Ports」の項目に表示されるポートがアクセスポート
「Ports」の項目に表示されないポートがトランクポート


・show interfaces trunk
「Port」の項目に表示されないポートがアクセスポート
「Port」の項目に表示されるポートがトランクポート


・show interfaces status
「VLAN」の項目がVLAN番号になっているポートがアクセスポート
「VLAN」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート


・show interfaces switchport
「Operational Mode」の項目がaccessとなっているポートがアクセスポート
「Operational Mode」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート


【ネイティブVLAN】
ネイティブVLANはIEEE 802.1Qでサポートしている機能です。
IEEE 802.1Qでは通常、フレームにタグを付けて送信しますがネイティブVLANにはタグを付けません。そのため、受信したフレームにタグが付いていない場合はネイティブVLANと判断できます。
これにより、IEEE 802.1Qに対応していない(タグを理解しない、タグ付け出来ない)デバイスとの互換性を持たせています。
ネイティブVLANは、スイッチを管理するトラフィック(CDPやSTPやDTPなど)の送受信で利用されます。

ネイティブVLANは「switchport trunk native vlan {VLAN番号}」コマンドで変更できます。変更していないデフォルトの状態ではVLAN1がネイティブVLANになっています。
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問題の改善

投稿日 2024/09/18

問題文ではVLAN110を追加したときとあるが、図では追加する前の動作しか表示されていない。
回答ではVLAN110は通過できるが正答となっているため、解説のように、設定が反映されたところまでを問題に表示させるべきではないか。

2024/09/18 08:05

うーん…そもそも設問が

下図のSwitchに「switchport trunk allowed vlan add 110」を設定したときの動作について

なのですから、「設定が反映されたところまで」が表示されてたらそれはすでに問題として意味がないのではないでしょうか?「この状態にこの設定を入れたらどうなる?」という問題を「この状態のスイッチの動作として正しいものは?」に変えるべきということであれば、どの段階の図を表示するかではなく問題自体を変更するようにというお話になりますよね。
この問題と回答、解説に誤りがあるわけではないのであれば、問題の形式を変える必要性はないのではないかなぁと思います。


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