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Cisco

CCNA(200-301)
問題ID : 7935
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IPv6のリンクローカルアドレスについて正しい記述はどれか(4つ選択)

正解

ホスト間で一意になる

IPv6を扱うインターフェース全てに設定される

リンクローカルアドレスを手動で設定しない場合、自動生成されたリンクローカルアドレスが設定される

ルーティングの宛先になれない

解説

IPv6のアドレス範囲はIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって、以下のように役割ごとにアドレス範囲が決められています。


リンクローカルアドレスは、そのリンク上でのみ使われるユニキャストアドレスです。アドレスのフィールドは以下の2つにわけられます。

IOSではインターフェースIDはEUI-64形式で自動生成されます。手動で設定することもできますが、アドレス重複を避けるためにも自動生成されたアドレスを使用するのが一般的です。

よって正解は
・ホスト間で一意になる
・IPv6を扱うインターフェース全てに設定される
・リンクローカルアドレスを手動で設定しない場合、自動生成されたリンクローカルアドレスが設定される
・ルーティングの宛先になれない
です。

リンクローカルアドレスの設定例

リンクローカルアドレスは、同一リンク上(ルータを越えない範囲)でのみ使われるアドレスです。つまりホスト間で一意であれば良いので、上図R2のFa0/0とFa0/1のように同一のリンクローカルアドレスを設定することも出来ます。

また、IPv6を扱うインターフェースにリンクローカルアドレスを手動で設定しない場合は自動的に設定されます。


その他の選択肢については、以下の通りです。
・IPv6を扱うルータ1台に対して1つのみリンクローカルアドレスが設定される
リンクローカルアドレスはIPv6を扱うインターフェースの数だけ設定されるので、誤りです。

・ルーティングプロトコルを動作させている場合、15ホップ先のルータまではルーティングテーブルの宛先に載る
リンクローカルアドレスは、同一リンク上でのみ使われるアドレスなので、ルーティングテーブルのネクストホップには載りますが、宛先には載らないので、誤りです。

・世界中で一意になる
集約可能グローバルアドレスについての記述なので、誤りです。

・IPv4でのプライベートアドレスと同じ目的で使われる
ユニークローカルアドレスについての記述なので、誤りです。

参考

【主なIPv6アドレス】
IPv6のアドレス範囲はIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって、以下のように役割ごとにアドレス範囲が決められています。

なお、現時点では以下の範囲が割り当て済みとなっています。
・グローバルユニキャストアドレス
2000::/3のみ。その他の範囲は将来のために予約されている。
・ユニークローカルアドレス
fd00::/8のみ。fc00::/8は将来のために予約されている。

【グローバルユニキャストアドレスのフィールド】
グローバルユニキャストアドレスはIPv4でのグローバルアドレスと同じ扱いで、全世界で一意となるアドレスです。アドレスのフィールドは以下の3つに分けられます。

IPv4でのホストアドレスに当たるインターフェースIDは、アドレス自動設定機能を活用するために64ビットにするのが一般的です。そのため、前半64ビットのうちプロバイダから割り当てられたプレフィックス分を除いた部分がサブネット用のビットになります。割り当てられたプレフィックス(グローバルプレフィックス)とサブネットまでの部分とプレフィックス長を合わせてサブネットIDと呼びます。
例えばグローバルプレフィックスとして「2001:db8:1234::/48」がプロバイダから割り当てられており、後半64ビットをインターフェースIDとして使用する場合、先頭から1番目のサブネットIDは「2001:db8:1234::/64」、2番目のサブネットIDは「2001:db8:1234:1::/64」となります。

【リンクローカルアドレスのフィールド】
リンクローカルアドレスは、そのリンク上でのみ使われるユニキャストアドレスです。アドレスのフィールドは以下の2つにわけられます。

IOSではインターフェースIDはEUI-64形式で自動生成されます。手動で設定することもできますが、アドレス重複を避けるためにも自動生成されたアドレスを使用するのが一般的です。
なお、リンクローカルアドレスのみを使用したいインターフェースでは、「ipv6 enable」コマンドだけを設定します。

【ユニークローカルアドレスのフィールド】
ユニークローカルアドレス(Unique Local Address:ULA)はIPv4でのプライベートアドレスと同じ目的で使われます。アドレスのフィールドは以下の4つにわけられます。

ユニークローカルアドレスは
・先頭が「fd」
・続く40ビットのグローバルIDをランダムに生成して割り当て
・サブネットとして16ビットを割り当て
としてサブネットIDが決まります。
グローバルID部の40ビットはどんな値でも問題はありませんが、RFC 4193にあるようにランダムな値を生成するロジックを使用して値を決定することが推奨されています。

【エニーキャスト】
ユニキャストアドレスの中には「エニーキャストアドレス」というものが含まれます。特殊なアドレスではなく、同じユニキャストアドレスを複数の機器に割り当て、ネットワーク的に最も近い機器と通信させるためのアドレスです。例えばDNSルートサーバでは、耐障害性を高めたり、応答を速める目的でエニーキャストを使用しています。

【マルチキャスト】
マルチキャストアドレスは特定のグループを指すアドレスです。IPv6ではブロードキャストアドレスがなくなった代わりに、用途ごとに決められたマルチキャストアドレスを使用します。

主なマルチキャストスコープ(マルチキャストを送信する範囲)は以下の通りです。



主なマルチキャストアドレスは以下の通りです。


また、上記のグループに属さない、要請ノードマルチキャストアドレスというものがあります。要請ノードマルチキャストアドレスのフィールドは以下の2つにわけられます。


要請ノードマルチキャストアドレスは、自身にあてた問い合わせを受け取るための自動生成アドレスです。IPv4ではARPをブロードキャストすることで通信したいIPアドレスを持つ機器のMACアドレスを得ることができましたが、IPv6ではブロードキャストが存在しないため、ARPを使うことは出来ません。要請ノードマルチキャストアドレスは割り当てられたIPv6アドレスから自動で生成されるマルチキャストアドレスですので、MACアドレスを得たい機器から、宛先IPv6アドレスを基に生成した要請ノードマルチキャストアドレスにNeighbor Solicitation(近隣要請:NS)というICMPv6パケットを送信します。NSを受信した機器がNeighbor Advertisement(近隣広告:NA)パケットによって応答を返すことで、ARPのようにMACアドレスの解決を行うようになっています。

【特殊なアドレス】
その他の特殊なアドレスには、以下のものがあります。
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IPv6のリンクローカルアドレスについて

公開日 2024/10/20

「IPv6のリンクローカルアドレスについて正しい記述はどれか(4つ選択)」という問いで以下が正解とされているのですが、4が理解できませんでした。
こちらのサイトにはスタティックルートとして指定できるだけではなく、「※ ネクストホップにはリンクローカルアドレスを指定することが推奨」とまで記述されていました。

参考:https://www.infraexpert.com/study/ipv6z15.html

1.ホスト間で一意になる
2.IPv6を扱うインターフェース全てに設定される
3.リンクローカルアドレスを手動で設定しない場合、自動生成されたリンクローカルアドレスが設定される
4.ルーティングの宛先になれない

ご教授いただければ幸いです。

2024/10/20 08:18

4.ルーティングの宛先になれない

これは参考として提示された先の情報でいう以下の部分ですね。

prefix/length
 宛先ネットワークとそのプレフィックス長の指定

ルーティングの「宛先」であって、「ネクストホップ」ではないのです。
宛先(Destination)として指定すると以下のようにエラーになります。

Router(config)#ipv6 route fe80:1:2:3::1/128 g0/0
% Invalid prefix


コメント

M MkseA

2024/10/20 10:38

ネクストホップだと誤解してました。理解できました。わざわざ実行結果まで載せていただきありがとうございます_(._.)_

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