助け合いフォーラム
なお、営業部ではVLAN10を使用、開発部ではVLAN20を使用、ネットワーク部ではVLAN30を使用している。
CatAのFa0/3に接続されているPCのデフォルトゲートウェイはどれか。
上記を確認するために、管理者がCatAにてあるコマンドを入力した。
管理者が使用したコマンドは何か。また、Fa0/3に接続されているPCのデフォルトゲートウェイはどれか(2つ選択)
正解
show vlan
192.168.10.253
解説
"show vlan"コマンドによりFa0/3にVLAN10が割り当てられていることが確認できます。
つまり、Fa0/3に接続されるPCはVLAN10に属するので、「192.168.10.253」をデフォルトゲートウェイにすることになります。
参考
スイッチのポートは、どのVLANに対応しているかという観点で「アクセスポート」と「トランクポート」に分類されます。
・アクセスポート
1つのVLANに対応。エンドユーザーのPCを接続するポートなどに利用される。(デフォルトはVLAN1)
・トランクポート
複数のVLANに対応。スイッチ同士やスイッチとルータを接続(VLAN間通信の際に利用)するポートなどに利用される。
トランクリンクではIEEE 802.1Qを使用して、VLAN情報を識別します。
【図:アクセスポートとトランクポート】
【IEEE 802.1Q】
IEEE 802.1Qは、フレームにVLANタグを付けるための規格です。
フレームにVLANタグを付けることにより、スイッチ同士やスイッチとルータ間で送受信するフレームがどのVLANに属しているかを識別できるようになります。
IEEE 802.1Qの主な特徴は以下の通りです。
・IEEE標準規格
・送信元MACアドレスとタイプの間にタグフィールド(4byte)を追加
・FCSを再計算
・ネイティブVLAN(VLANタグを付けないフレーム)をサポート
【図:通常のEthernetフレームとIEEE 802.1Qフレーム】
【DTP】
DTP(Dynamic Trunking Protocol)は、スイッチとスイッチを接続したポートでネゴシエーションして、スイッチのポートを自動的にトランクポート、またはアクセスポートとして動作させるCisco独自のプロトコルです。
【コマンド構文:スイッチポートモード変更(DTPの設定)】
(config-if)#switchport mode {access | trunk | dynamic {auto | desirable}}
【スイッチポートモードの組み合わせ】
【コマンド構文:DTPの無効化】
(config-if)#switchport nonegotiate
対向のデバイスによってはDTPが正しく動作しないことがあります。(DTPをサポートしていないデバイスもあるため)
そのためトランクポートにする場合は、「switchport nonegotiate」でDTPを止めて「switchport mode trunk」で手動でトランクポートにすることが推奨されています。
【コマンド構文:VLANカプセル化方式の指定】
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
【コマンド構文:トランクポートを通過できるVLANの変更】
【アクセスポートの設定例】
・Fa0/2をアクセスポートにして、VLAN20を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/2
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 20
・Fa0/5をアクセスポートにして、VLAN30を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/5
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 30
【トランクポートの設定例】
・Fa0/1のカプセル化方式を802.1Qにしてdynamic desirableモードにする
(対向とのネゴシエーションの結果トランクポートになる)
Switch(config)#interface FastEthernet 0/1
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode dynamic desirable
・Fa0/6のカプセル化方式を802.1Qにしてトランクポートにする
Switch(config)#interface FastEthernet 0/6
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode trunk
【アクセスポートとトランクポートの確認】
アクセスポートになっているのか、トランクポートになっているのかは「show vlan」「show interfaces trunk」「show interfaces status」「show interfaces switchport」などのコマンドで確認できます。
各コマンドの表示は以下のようになります。なお、いずれもFa0/1とFa0/6がトランクポートになっている場合の表示例です。
・show vlan
「Ports」の項目に表示されるポートがアクセスポート
「Ports」の項目に表示されないポートがトランクポート
・show interfaces trunk
「Port」の項目に表示されないポートがアクセスポート
「Port」の項目に表示されるポートがトランクポート
・show interfaces status
「VLAN」の項目がVLAN番号になっているポートがアクセスポート
「VLAN」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート
・show interfaces switchport
「Operational Mode」の項目がaccessとなっているポートがアクセスポート
「Operational Mode」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート
【ネイティブVLAN】
ネイティブVLANはIEEE 802.1Qでサポートしている機能です。
IEEE 802.1Qでは通常、フレームにタグを付けて送信しますがネイティブVLANにはタグを付けません。そのため、受信したフレームにタグが付いていない場合はネイティブVLANと判断できます。
これにより、IEEE 802.1Qに対応していない(タグを理解しない、タグ付け出来ない)デバイスとの互換性を持たせています。
ネイティブVLANは、スイッチを管理するトラフィック(CDPやSTPやDTPなど)の送受信で利用されます。
ネイティブVLANは「switchport trunk native vlan {VLAN番号}」コマンドで変更できます。変更していないデフォルトの状態ではVLAN1がネイティブVLANになっています。
デフォルトゲートウェイの設定はサブインターフェースに設定されたアドレスを指定するのが正しい?
設問からどのような方針で回答するのか判断ができなかったため判断基準を教えていただきたいです。
問題文ではデフォルトゲートウェイにどのIPを設定するかが問われていますが、
ネットワーク外に接続するのであればRouterBのInterface Fa0のIPアドレスを指定する方が正しいのではないかと思いました。
(特に問題文で指定されているわけではりありませんが)
状況の与えられ方からRouterAに指定してある各サブインターフェースのIPアドレスをデフォルトゲートウェイに指定して
VLAN間での通信を行いたいのかな?とも考えましたがこちらも特に記載されておりません。
解説もかなりあっさりとしか記載されていないため、何か判断するうえで抜けている情報などありましたら合わせて
ご教示いただけますでしょうか。
FA0/3はVLAN10に属しているから
192.168.10.0/24のネットワークだと推察される
とすれば、このままでは
192.168.50.254
にはアクセスできないからVLAN間ルーティングが必要
それをRouterAでやるってことかなと
コメント
質問の書き方から、問題の捉え方を少し違えているのでは、と感じています。
この設問で問われているのは、あくまで
①CatAのVLANテーブルを表示している【?】部分のコマンド
②CatAのFa0/3に接続されているセグメントのデフォルトゲートウェイ
です。
既にVLAN・デフォルトゲートウェイとサブインターフェースの設定は完了している状態なので、
「デフォルトゲートウェイにどのIPを設定するか」という点は特に設問で聞かれてはいません。
なので、
①【?】部分のコマンド
②VLANテーブルから、「Fa0/3にどのVLANが設定されているか」と、RouterAのインターフェースにVLAN10のIPが何で設定されているか」
を確認すればいいのです。
あえて設問そのものに指摘するのであれば、
サブインターフェースの図とVLANテーブルの図の間にある2行が迂遠な書き方なので、
読み違えを招きそうだとは思いますが…。
コメント
この投稿に対して返信しませんか?
m mo9ura
2022/08/08 23:01
ありがとうございます。 確かにそのままではそもそも192.168.50.254にアクセスできないので、VLAN間ルーティングが必要になりますね。 何故か192.168.50.254には設定すればアクセスできる前提で考えていました。