助け合いフォーラム
CCNA(200-301)
問題ID : 33539
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図のSW1、SW2では、以下のようにEtherChannelを形成している。

SW1のGi0/1がシャットダウンした場合のSW2の動作ついて、正しい記述はどれか。(2つ選択)
正解
SW1と通信を継続することが可能
Gi0/4のバンドルが解除される
解説
【EtherChannel】
EtherChannelとは、複数の物理インターフェースを一つの論理インターフェースとして利用する技術です。
SW1とSW2の設定を確認します。
SW1とSW2はLACPでEtherChannelを形成しており、SW1のPort-Channel1にはGi0/1~Gi0/3、SW2のPort-Channel1にはGi0/4~Gi0/6がバンドルされていることが分かります。

LACPはIEEE 802.3ad標準のEtherChannelネゴシエーションプロトコルです。
対向のポートとネゴシエーションして互いの情報を確認した上で、EtherChannelを形成できるかどうかを判断します。
設問のように、SW1のGi0/1をシャットダウンした場合、まずSW1ではシャットダウンされたGi0/1がPort-Channel1のバンドルから外されます。
そして、SW2のGi0/4は対向ポートの情報が確認できなくなるため、SW2のGi0/4もPort-Channel1のバンドルから外されます。

SW1のGi0/1をシャットダウンした後の両スイッチの状況を確認します。
Gi0/1をシャットダウンしたSW1では、Gi0/1の状態は「Down」、Gi0/2、Gi0/3がバンドルされており、Gi0/1のバンドルは解除されています。

SW2では、Gi0/4の状態は「suspended(=使用できない)」、Gi0/5、Gi0/6がバンドルされており、Gi0/4のバンドルは解除されています。

両スイッチではそれぞれ、バンドルされている残りの物理ポート(SW1はGi0/2とGi0/3、SW2はGi0/4とGi0/5)でPort-Channel1を形成し通信を行うため、引き続き通信を行うことが可能です。
よって、正解は
・SW1と通信を継続することが可能
・Gi0/4のバンドルが解除される
です。
その他の選択肢については、以下の通りです。
・Port-Channel1の設定が破棄される
Gi0/4がPort-Channel1のバンドルから外れますが、設定が破棄されることはないため、誤りです。
・Gi0/4~Gi0/6がバンドルされたままである
Gi0/4がPort-Channel1のバンドルから外れるため、誤りです。
・SW2は通信ができなくなる
バンドルされている残りの物理ポート(Gi0/5、Gi0/6)でPort-Channel1を形成し、通信を継続するため、誤りです。
【備考:Min-Links機能】
LACPには「Min-Links機能」という機能があります。これは、EtherChannelの形成に必要な物理ポートの最低ラインをあらかじめ設定しておける機能です。
例えば、設問の状況に加えて、両スイッチに「Min-Links」が「3」と設定されていた場合、Gi0/1がシャットダウンされ、バンドルされている物理ポートがそれぞれ2つ(SW1はGi0/2とGi0/3、SW2はGi0/4とGi0/5)になった時点で、Port-Channel1は非アクティブになります。
EtherChannelとは、複数の物理インターフェースを一つの論理インターフェースとして利用する技術です。
SW1とSW2の設定を確認します。
SW1とSW2はLACPでEtherChannelを形成しており、SW1のPort-Channel1にはGi0/1~Gi0/3、SW2のPort-Channel1にはGi0/4~Gi0/6がバンドルされていることが分かります。

LACPはIEEE 802.3ad標準のEtherChannelネゴシエーションプロトコルです。
対向のポートとネゴシエーションして互いの情報を確認した上で、EtherChannelを形成できるかどうかを判断します。
設問のように、SW1のGi0/1をシャットダウンした場合、まずSW1ではシャットダウンされたGi0/1がPort-Channel1のバンドルから外されます。
そして、SW2のGi0/4は対向ポートの情報が確認できなくなるため、SW2のGi0/4もPort-Channel1のバンドルから外されます。

SW1のGi0/1をシャットダウンした後の両スイッチの状況を確認します。
Gi0/1をシャットダウンしたSW1では、Gi0/1の状態は「Down」、Gi0/2、Gi0/3がバンドルされており、Gi0/1のバンドルは解除されています。

SW2では、Gi0/4の状態は「suspended(=使用できない)」、Gi0/5、Gi0/6がバンドルされており、Gi0/4のバンドルは解除されています。

両スイッチではそれぞれ、バンドルされている残りの物理ポート(SW1はGi0/2とGi0/3、SW2はGi0/4とGi0/5)でPort-Channel1を形成し通信を行うため、引き続き通信を行うことが可能です。
よって、正解は
・SW1と通信を継続することが可能
・Gi0/4のバンドルが解除される
です。
その他の選択肢については、以下の通りです。
・Port-Channel1の設定が破棄される
Gi0/4がPort-Channel1のバンドルから外れますが、設定が破棄されることはないため、誤りです。
・Gi0/4~Gi0/6がバンドルされたままである
Gi0/4がPort-Channel1のバンドルから外れるため、誤りです。
・SW2は通信ができなくなる
バンドルされている残りの物理ポート(Gi0/5、Gi0/6)でPort-Channel1を形成し、通信を継続するため、誤りです。
【備考:Min-Links機能】
LACPには「Min-Links機能」という機能があります。これは、EtherChannelの形成に必要な物理ポートの最低ラインをあらかじめ設定しておける機能です。
例えば、設問の状況に加えて、両スイッチに「Min-Links」が「3」と設定されていた場合、Gi0/1がシャットダウンされ、バンドルされている物理ポートがそれぞれ2つ(SW1はGi0/2とGi0/3、SW2はGi0/4とGi0/5)になった時点で、Port-Channel1は非アクティブになります。
参考
【EtherChannel】
EtherChannelとは、複数の物理インターフェースを一つの論理インターフェースとして利用する技術です。

単純にスイッチ間を2本のケーブルで接続した場合、ループを防ぐためSTPの働きによって片方がブロックされることになります。
つまり、100Mの全二重として動作します。

EtherChannelを使用した場合は論理的に一つのインターフェースとして扱われるので、ループは発生しません。
つまり、200Mの全二重として動作することになります。
【コマンド構文:EtherChannelの設定】

【EtherChannelモードと組み合わせ】(○がEtherChannel形成)

EtherChannelを形成するには、対向のデバイスとEtherChannelモードを正しく組み合わせる必要があります。
【LACPとPAgP】
LACPはIEEE 802.3ad標準のEtherChannelネゴシエーションプロトコルで、非Ciscoデバイスとの接続で使用できます。
PAgPはCisco独自のEtherChannelネゴシエーションプロトコルで、非Ciscoデバイスとの接続は出来ません。
【ロードバランシング方式】
EtherChannelはロードバランシング(負荷分散)をサポートしています。
(config)#port-channel load-balance {src-ip | dst-ip | src-dst-ip | src-mac | dst-mac | src-dst-mac}

【レイヤ2 EtherChannelの設定例】

上記の設定を、対向のデバイスでも行う必要があります。
【レイヤ3 EtherChannelの設定例】

上記の設定を、対向のデバイスでも行う必要があります。
【EtherChannelでポートをバンドルする際にデバイス内、および対向のデバイスと共通にする必要がある設定】
・イーサーネットメディアタイプ
・速度とデュプレックス
・スイッチポートの種類(アクセスポート/トランクポート/レイヤ3ポート)
・割り当てるVLAN(アクセスポートの場合)
・ネイティブVLANと搬送するVLANの範囲(トランクポートの場合)
・トランキングモード(トランクポートの場合)
EtherChannelを形成した後にポートで上記の設定を変更すると、そのポートはバンドルから外れます。
【EtherChannelの確認】
EtherChannelを確認する主なコマンドは以下の通りです。
・show etherchannel
・show etherchannel summary
・show interfaces port-channel
・show etherchannel port
・show {pagp | lacp} neighbor
・show {pagp | lacp} internal
・show {pagp | lacp} counters
以下を設定した状況でそれぞれの表示を確認します。

・チャネルグループ5は「レイヤ2 EtherChannel」、「Fa0/1と0/2が所属」、「静的に設定」
・チャネルグループ7は「レイヤ3 EtherChannel」、「Fa0/3と0/4と0/5が所属」、「PAgPを使用」
・チャネルグループ10は「レイヤ2 EtherChannel」、「Fa0/6と0/7が所属」、「LACPを使用」
※状態確認のため、Fa0/2とFa0/5~7にはケーブルを接続しません
「show etherchannel」を使用すると、作成しているチャネルグループや、使用しているプロトコルなど情報が表示されます。

「show etherchannel summary」を使用すると、作成しているチャネルグループの状態や、使用しているプロトコルなどの簡易情報が表示されます。


「show interfaces port-channel {ポートチャネル番号}」を使用すると、指定したポートチャネル(論理インターフェース)の情報が表示されます。

「show etherchannel port」を使用すると、チャネルグループごとに各ポートの情報が表示されます。

「show pagp neighbor」を使用すると、PAgPネイバーの情報が表示されます。

「show lacp neighbor」を使用すると、LACPネイバーの情報が表示されます。

「show pagp internal」を使用すると、自身のPAgP情報が表示されます。

「show lacp internal」を使用すると、自身のLACP情報が表示されます。

「show pagp counters」を使用すると、送受信しているPAgPパケットの数とエラーとなったパケットの数が表示されます。

カウントしているPAgPパケットの数は「clear pagp counters」コマンドでクリアできます。
「show lacp counters」を使用すると、送受信しているLACPパケットの数とエラーとなったパケットの数が表示されます。

カウントしているLACPパケットの数は「clear lacp counters」コマンドでクリアできます。
EtherChannelとは、複数の物理インターフェースを一つの論理インターフェースとして利用する技術です。

単純にスイッチ間を2本のケーブルで接続した場合、ループを防ぐためSTPの働きによって片方がブロックされることになります。
つまり、100Mの全二重として動作します。

EtherChannelを使用した場合は論理的に一つのインターフェースとして扱われるので、ループは発生しません。
つまり、200Mの全二重として動作することになります。
【コマンド構文:EtherChannelの設定】

【EtherChannelモードと組み合わせ】(○がEtherChannel形成)

EtherChannelを形成するには、対向のデバイスとEtherChannelモードを正しく組み合わせる必要があります。
【LACPとPAgP】
LACPはIEEE 802.3ad標準のEtherChannelネゴシエーションプロトコルで、非Ciscoデバイスとの接続で使用できます。
PAgPはCisco独自のEtherChannelネゴシエーションプロトコルで、非Ciscoデバイスとの接続は出来ません。
【ロードバランシング方式】
EtherChannelはロードバランシング(負荷分散)をサポートしています。
(config)#port-channel load-balance {src-ip | dst-ip | src-dst-ip | src-mac | dst-mac | src-dst-mac}

【レイヤ2 EtherChannelの設定例】

上記の設定を、対向のデバイスでも行う必要があります。
【レイヤ3 EtherChannelの設定例】

上記の設定を、対向のデバイスでも行う必要があります。
【EtherChannelでポートをバンドルする際にデバイス内、および対向のデバイスと共通にする必要がある設定】
・イーサーネットメディアタイプ
・速度とデュプレックス
・スイッチポートの種類(アクセスポート/トランクポート/レイヤ3ポート)
・割り当てるVLAN(アクセスポートの場合)
・ネイティブVLANと搬送するVLANの範囲(トランクポートの場合)
・トランキングモード(トランクポートの場合)
EtherChannelを形成した後にポートで上記の設定を変更すると、そのポートはバンドルから外れます。
【EtherChannelの確認】
EtherChannelを確認する主なコマンドは以下の通りです。
・show etherchannel
・show etherchannel summary
・show interfaces port-channel
・show etherchannel port
・show {pagp | lacp} neighbor
・show {pagp | lacp} internal
・show {pagp | lacp} counters
以下を設定した状況でそれぞれの表示を確認します。

・チャネルグループ5は「レイヤ2 EtherChannel」、「Fa0/1と0/2が所属」、「静的に設定」
・チャネルグループ7は「レイヤ3 EtherChannel」、「Fa0/3と0/4と0/5が所属」、「PAgPを使用」
・チャネルグループ10は「レイヤ2 EtherChannel」、「Fa0/6と0/7が所属」、「LACPを使用」
※状態確認のため、Fa0/2とFa0/5~7にはケーブルを接続しません
「show etherchannel」を使用すると、作成しているチャネルグループや、使用しているプロトコルなど情報が表示されます。

「show etherchannel summary」を使用すると、作成しているチャネルグループの状態や、使用しているプロトコルなどの簡易情報が表示されます。


「show interfaces port-channel {ポートチャネル番号}」を使用すると、指定したポートチャネル(論理インターフェース)の情報が表示されます。

「show etherchannel port」を使用すると、チャネルグループごとに各ポートの情報が表示されます。

「show pagp neighbor」を使用すると、PAgPネイバーの情報が表示されます。

「show lacp neighbor」を使用すると、LACPネイバーの情報が表示されます。

「show pagp internal」を使用すると、自身のPAgP情報が表示されます。

「show lacp internal」を使用すると、自身のLACP情報が表示されます。

「show pagp counters」を使用すると、送受信しているPAgPパケットの数とエラーとなったパケットの数が表示されます。

カウントしているPAgPパケットの数は「clear pagp counters」コマンドでクリアできます。
「show lacp counters」を使用すると、送受信しているLACPパケットの数とエラーとなったパケットの数が表示されます。

カウントしているLACPパケットの数は「clear lacp counters」コマンドでクリアできます。
パケットトレーサーとの差異
Y
Yogo
投稿日 2025/06/20
この問題の環境をパケットトレーサ上で再現してみたうえで左側のL3SWのgi0/1をshutコマンドで落としてshow etherchnnelしたところ、どちらのスイッチでも(D)の表示になりましたが、これはどういった現象なのでしょうか
2025/06/21 11:10
おそらくですが、パケットトレーサーが「suspended」状態を実装していないとかではないでしょうか。
パケットトレーサーは実機を完全再現したものではないので、実機との動作の差はいろいろ出てきます。
本来なら「suspended」になるはずのポートが「Down」と表示されるのも、「suspended」状態を持っていないからだと考えられます。
実機の検証では以下のように、問題同様「suspended (s)」状態になりました。
SW1#sho etherchannel summary
(略)
Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1 Po1(SU) LACP Gi0/1(P) Gi0/2(P) Gi0/3(P)
(↑すべてバンドルされてる状態)
SW1#
SW1#
SW1#
SW1#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
SW1(config)#
SW1(config)#
SW1(config)#
SW1(config)#int gi 0/1
SW1(config-if)#shutdown(←シャットダウン)
SW1(config-if)#end
SW1#
*Jun 21 01:47:08.791: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
*Jun 21 01:47:08.961: %LINK-5-CHANGED: Interface GigabitEthernet0/1, changed state to administratively down
*Jun 21 01:47:09.961: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface GigabitEthernet0/1, changed state to down
SW1#
SW1#
SW1#sho etherchannel summary
(略)
Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1 Po1(SU) LACP Gi0/1(D) Gi0/2(P) Gi0/3(P)
(↑Gi0/1が"Down(D)"状態になる)
■SW2の状態変化(※設問とは違い、Gi0/4~6ではなく、Gi0/1~3を使用しています)
SW2#
*Jun 21 01:45:18.948: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Port-channel1, changed state to up
SW2#
SW2#
SW2#show et
SW2#show etherchann
SW2#show etherchannel summ
SW2#show etherchannel summary
(略)
Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1 Po1(SU) LACP Gi0/1(P) Gi0/2(P) Gi0/3(P)
(↑SW1のGi0/1のシャットダウン前、すべてバンドルされている)
SW2#
*Jun 21 01:48:29.213: %EC-5-L3DONTBNDL2: Gi0/1 suspended: LACP currently not enabled on the remote port.(←SW1のシャットダウンを検知)
SW2#show etherchannel summary
(略)
Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------------------------
1 Po1(SU) LACP Gi0/1(s) Gi0/2(P) Gi0/3(P)
(↑SW1のGi0/1のシャットダウン後、SW2のGi0/1(接続インターフェース)は“suspended (s)”状態)
SW2#
コメント
この投稿に対して返信しませんか?
Y Yogo
2025/06/24 15:20
そういうことですね。わざわざご検証いただきありがとうございました。