助け合いフォーラム

図のネットワークにおいて、RBのGi0/1に割り当てるIPアドレスとして適切なアドレスは次のうちどれか。
正解
2001:db8:1234::0/127
解説
/127のプレフィックス長を持つネットワークでは、ホスト部分のビットは1ビットのみであり、この1ビットが「0」または「1」の2つのみが利用可能なホストアドレスです。
IPv6では、IPv4の制限とは異なり、ホスト部が全て0や全て1であるアドレスでも、ホストに割り当てが可能です。
そのため、設問のネットワークでは、2つの利用可能なアドレス(「2001:db8:1234::0」と「2001:db8:1234::1」)をどちらもデバイスに割り当てることができます。
既にRAには、ホスト部の1ビットが1である「2001:db8:1234::1」割り当てられているので、残る利用可能なアドレスは、ホスト部が0である「2001:db8:1234::0」のみです。したがって、このアドレスがRBのGi0/1に割り当てるIPアドレスとして適切なアドレスとなります。

よって、正解は
・2001:db8:1234::0/127
です。
その他の選択肢については、RAと異なるサブネットに属するアドレスのため、誤りです。
・2001:db8:1234::2/127
・2001:db8:1234:5678::1/127
・2002:db8:1234::0/127
・3001:db8:1234::1/127
参考
IPv6のアドレス範囲はIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって、以下のように役割ごとにアドレス範囲が決められています。

なお、現時点では以下の範囲が割り当て済みとなっています。
・グローバルユニキャストアドレス
2000::/3のみ。その他の範囲は将来のために予約されている。
・ユニークローカルアドレス
fd00::/8のみ。fc00::/8は将来のために予約されている。
【グローバルユニキャストアドレスのフィールド】
グローバルユニキャストアドレスはIPv4でのグローバルアドレスと同じ扱いで、全世界で一意となるアドレスです。アドレスのフィールドは以下の3つに分けられます。

IPv4でのホストアドレスに当たるインターフェースIDは、アドレス自動設定機能を活用するために64ビットにするのが一般的です。そのため、前半64ビットのうちプロバイダから割り当てられたプレフィックス分を除いた部分がサブネット用のビットになります。割り当てられたプレフィックス(グローバルプレフィックス)とサブネットまでの部分とプレフィックス長を合わせてサブネットIDと呼びます。
例えばグローバルプレフィックスとして「2001:db8:1234::/48」がプロバイダから割り当てられており、後半64ビットをインターフェースIDとして使用する場合、先頭から1番目のサブネットIDは「2001:db8:1234::/64」、2番目のサブネットIDは「2001:db8:1234:1::/64」となります。
【リンクローカルアドレスのフィールド】
リンクローカルアドレスは、そのリンク上でのみ使われるユニキャストアドレスです。アドレスのフィールドは以下の2つにわけられます。

IOSではインターフェースIDはEUI-64形式で自動生成されます。手動で設定することもできますが、アドレス重複を避けるためにも自動生成されたアドレスを使用するのが一般的です。
なお、リンクローカルアドレスのみを使用したいインターフェースでは、「ipv6 enable」コマンドだけを設定します。
【ユニークローカルアドレスのフィールド】
ユニークローカルアドレス(Unique Local Address:ULA)はIPv4でのプライベートアドレスと同じ目的で使われます。アドレスのフィールドは以下の4つにわけられます。

ユニークローカルアドレスは
・先頭が「fd」
・続く40ビットのグローバルIDをランダムに生成して割り当て
・サブネットとして16ビットを割り当て
としてサブネットIDが決まります。
グローバルID部の40ビットはどんな値でも問題はありませんが、RFC 4193にあるようにランダムな値を生成するロジックを使用して値を決定することが推奨されています。
【エニーキャスト】
ユニキャストアドレスの中には「エニーキャストアドレス」というものが含まれます。
特殊なアドレスではなく、同じユニキャストアドレスを複数の機器に割り当て、ネットワーク的に最も近い機器と通信させるためのアドレスです。
例えばDNSルートサーバでは、耐障害性を高めたり、応答を速める目的でエニーキャストを使用しています。
[サブネットルーターエニーキャスト]
エニーキャストアドレスとして使用するアドレスのうち、インターフェースIDの部分が全て0で構成されるものをサブネットルーターエニーキャストといいます。
【マルチキャスト】
マルチキャストアドレスは特定のグループを指すアドレスです。IPv6ではブロードキャストアドレスがなくなった代わりに、用途ごとに決められたマルチキャストアドレスを使用します。
主なマルチキャストスコープ(マルチキャストを送信する範囲)は以下の通りです。


主なマルチキャストアドレスは以下の通りです。

また、上記のグループに属さない、要請ノードマルチキャストアドレスというものがあります。要請ノードマルチキャストアドレスのフィールドは以下の2つにわけられます。

要請ノードマルチキャストアドレスは、自身にあてた問い合わせを受け取るための自動生成アドレスです。IPv4ではARPをブロードキャストすることで通信したいIPアドレスを持つ機器のMACアドレスを得ることができましたが、IPv6ではブロードキャストが存在しないため、ARPを使うことは出来ません。要請ノードマルチキャストアドレスは割り当てられたIPv6アドレスから自動で生成されるマルチキャストアドレスですので、MACアドレスを得たい機器から、宛先IPv6アドレスを基に生成した要請ノードマルチキャストアドレスにNeighbor Solicitation(近隣要請:NS)というICMPv6パケットを送信します。NSを受信した機器がNeighbor Advertisement(近隣広告:NA)パケットによって応答を返すことで、ARPのようにMACアドレスの解決を行うようになっています。
【特殊なアドレス】
その他の特殊なアドレスには、以下のものがあります。
IPv6のアドレス設定に関して
問題が
RAのインターフェースのIPアドレスが2001:db8:1234::1/127
その反対側につながるインターフェースのIPを設定しろという内容だったのですが
IPv4と違ってホスト部が全て0でもIPv6では設定することができるので2001:db8:1234::0/127が正解ということでした
/127ということは残ったホスト部が0か1の2択なのでそれは理解できたのですが
別の問題で「エニーキャストアドレスとして使用するアドレスのうち、インターフェースIDの部分が全て0で構成されるものをサブネットルーターエニーキャスト」という内容を見ました。
これは、あくまで特定のサブネットにエニーキャストアドレスとなる特定のアドレスを設定した時にだけホスト部がすべて0になるアドレスに特別な意味が生じるのであって、今回のような何も設定がない場合には関係ない話という理解でいいのでしょうか?
えっと、2つ質問があるように見えたのですがそうではなくて後半だけで良いのですよね?
- 前半:
/127なので、最下位ビットだけが異なるものを選べば良いという理解で良いか→良い(自己解決) - 後半:サブネットルーターエニーキャストについて(質問がうまく汲み取れず…)
とりあえず、サブネットルーターエニーキャストはご認識の通り「ホスト部がすべて 0 のエニーキャストアドレス」という理解は間違いないですね。RFC でもそう定義されています。
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc4291#section-2.6.1
This anycast address is syntactically the same as a unicast address for an interface on the link with the interface identifier set to zero.
もう1点が
今回のような何も設定がない場合には関係ない話
「今回」というのが問題ID:37032 のことであれば、その通りかと思います。アドレス設定の最後に anycast がついているという話はありませんので。
ちなみに
IPv4と違ってホスト部が全て0でもIPv6では設定することができるので
ここよくわかんないんですよね。IPv4 でも /31 の場合はホスト部が 0 であっても設定できるので。例えば Tunnel0 に以下のような設定をすることは可能です。
interface Tunnel0
ip address 192.168.255.0 255.255.255.254
コメント
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k kishishita
2025/12/27 21:32
ありがとうございます。 (後段の話は)あくまでエニーキャストアドレスに関する話題なので、それ以外には考えなくていいわけですね。 あと /31 の場合はホスト部が0であっても設定できるのは今知りました。 ありがとうございます。