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AWS ソリューションアーキテクト - アソシエイト(SAA-C02)
問題ID : 24576
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企業では、ディザスタリカバリ(災害対策)の一環として、オンプレミスのデータを定期的にAWSストレージへバックアップする方法を検討している。AWSストレージはバックアップの保存のみ利用し、データへのアクセスは遅延がないようオンプレミスのデータを使用する。
適切なストレージサービスはどれか。

正解

AWS Storage Gatewayのボリュームゲートウェイ(保管型)

解説

AWS Storage Gatewayのボリュームゲートウェイには「キャッシュ型」と「保管型」があります。
※「ボリューム」とは、iSCSI接続のブロックストレージボリュームのことです。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)とはコンピュータのストレージを接続するSCSIプロトコルをTCP/IPで実現したもののことで、サーバーはiSCSIで接続されたストレージ(Storage Gatewayの場合はS3)をローカルディスクとして使用します。
ボリュームストレージ上のデータは任意のタイミングでS3にEBSスナップショットとして保存可能なので、災害対策や定期的なバックアップに利用できます。

・キャッシュ型(キャッシュボリューム)
すべてのデータをS3に保存し、高頻度アクセスのデータのみオンプレミスのキャッシュストレージにコピーします。データがキャッシュ上に存在しない場合はS3へアクセスするので遅延が発生しますが、オンプレミスのストレージ容量を抑えることができます。


・保管型(ストアドボリューム)
すべてのデータをオンプレミスのボリュームストレージに保存し、S3に非同期でバックアップを保存します。キャッシュ型とは異なり全データへのアクセス先がオンプレミスになるので、S3へのアクセスによる遅延が発生しません。


本設問では「ディザスタリカバリ(災害対策)を目的としていること」「データへのアクセスは遅延がないようオンプレミスのデータを使用すること」から、ボリュームゲートウェイ(保管型)が適しています。

以上より正解は
・AWS Storage Gatewayのボリュームゲートウェイ(保管型)
です。

その他の選択肢については以下の通りです。

・AWS Storage Gatewayのファイルゲートウェイ
ファイルゲートウェイでは、オンプレミスのキャッシュデータ以外はオンプレミスからS3バケットへアクセスします。
「データへのアクセスは遅延がないようオンプレミスのデータを使用する」という要件を満たせないので、誤りです。

・AWS Storage Gatewayのボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)
ボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)では、全てのデータをS3に保存し、頻繁にアクセスするデータのみオンプレミスのキャッシュストレージにコピーします。
「データへのアクセスは遅延がないようオンプレミスのデータを使用する」という要件を満たせないので、誤りです。

・Amazon EBS
EC2インスタンス上にブロックデバイスを提供するストレージサービスです。
オンプレミスのデータのバックアップ先には適していないので、誤りです。

参考

【AWS Storage Gateway】
AWS Storage Gatewayは、オンプレミス(自社環境)からAWSのストレージサービスへのアクセスを高速かつセキュアに行うことができるサービスです。堅牢性・耐久性に優れたS3をファイル共有ストレージとして利用したり、災害対策を目的としたバックアップやアーカイブを行ったり、あまりアクセスされないデータを自社サーバーからAWSへ移動させるなど、様々なケースで利用することができます。
なお、頻繁に利用するデータは高速なストレージに保存し、反対に利用頻度の低いデータを安価・低速なストレージに配置することをストレージの階層化といいます。利用頻度に応じて性能の異なるストレージを使い分けることで、コストとパフォーマンスを両立させることができます。

Storage GatewayそのものはS3やEBSなどのようなストレージではありません。Gateway(規格の異なるネットワーク間を中継して接続する機器)の名が示す通り、オンプレミスとAWSのストレージサービスとを橋渡しする役目を持つサービスです。ユーザーはStorage Gatewayを利用することによって、Amazon S3やGlacierなどのストレージサービスをデータの保存先として選択することができます。

Storage Gatewayには3つのゲートウェイタイプが用意されています。


●ファイルゲートウェイ
オンプレミスから、NFSまたはSMBを介してS3バケットへアクセスすることができます。オンプレミスにキャッシュストレージを持つため、高速なデータアクセスが可能です。
※NFS(Network File System)、SMB(Server Message Block) ... どちらもサーバーなどへ保存されたファイルを複数のクライアントで共有するためのネットワークプロトコル(通信手順)。
なお、ユーザーごとにアクセスするバケットを制御したい場合はIAMロールで制御することができます。


●ボリュームゲートウェイ
S3をiSCSI接続のブロックストレージボリュームとして提供します。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)とはコンピュータのストレージを接続するSCSIプロトコルをTCP/IPで実現したもののことで、サーバーはiSCSIで接続されたストレージ(Storage Gatewayの場合はS3)をローカルディスクとして使用します。
ボリュームストレージ上のデータは任意のタイミングでS3にEBSスナップショットとして保存可能なので、災害対策や定期的なバックアップに利用できます。

・キャッシュ型(キャッシュボリューム)
すべてのデータをS3に保存し、高頻度アクセスのデータのみオンプレミスのキャッシュストレージにコピーします。データがキャッシュ上に存在しない場合はS3へアクセスするので遅延が発生しますが、オンプレミスのストレージ容量を抑えることができます。


・保管型(ストアドボリューム)
すべてのデータをオンプレミスのボリュームストレージに保存し、S3に非同期でバックアップを保存します。キャッシュ型とは異なり全データへのアクセス先がオンプレミスになるので、S3へのアクセスによる遅延が発生しません。


●テープゲートウェイ
物理テープストレージの代替として利用できるサービスです。VTL(Virtual Tape Library:仮想テープライブラリ)に対応したソフトウェアを介して、S3やGlacierにバックアップデータを保存することができます。
テープ(テープストレージ)とは磁気テープを用いたストレージです。HDDやSSDのようなディスクストレージとは異なり、大容量で安価、かつ長期的なデータ保存に向いているため、アーカイブやバックアップ用途として利用されます。
テープゲートウェイを利用することにより、オンプレミスで新規に物理テープを用意したりテープの切り替えを行うなど、テープの操作や管理をする必要がなくなります。また、アーカイブ先としてGlacierとも連携しているため、よりコストを削減できます。

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[Storage Gateway] Amazon S3を利用し、定期バックアップの設定を行う

公開日 2022/08/23

・Amazon S3を利用し、定期バックアップの設定を行う

が誤りの理由として

S3は耐久性・信頼性に優れたストレージです。S3へバックアップを行うことはありますが、S3のデータをバックアップすることは通常は行いませんので誤りです。

とありますが、後半部分が理解できません。「S3のデータを、さらに別の場所にバックアップすることは通常行いません」という意味であれば、それはそうでしょうが、そのようなことをするとはこの問題文・選択肢は全く述べていないように思うのですが。

スタッフからの返信

s staff_satomi

2022/09/06 11:45

tnishita2様 ご指摘の点を修正いたしました。 ご報告下さり、誠にありがとうございます。

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