助け合いフォーラム
なお、どちらのスイッチも自動でポートモードが決まる状態になっている。
正解
いずれかがdynamic desirableであればトランクリンクとなる
解説
【コマンド構文:スイッチポートモード変更(DTPの設定)】
(config-if)#switchport mode {access | trunk | dynamic {auto | desirable}}
【switchport modeの組み合わせ】
設問の「どちらのスイッチも自動でポートモードが決まる」という条件からモードは「dynamic desirable」または「dynamic auto」になっていると考えられます。
よって正解は
・いずれかがdynamic desirableであればトランクリンクとなる
です。
その他の選択肢については、以下の通りです。
・いずれかがdynamic autoであればアクセスリンクとなる
対向がdynamic desirableの場合はトランクリンクになるので誤りです。
・どちらもdynamic desirableであればアクセスリンクとなる
トランクリンクになるので誤りです。
・どちらもdynamic autoであれはトランクリンクとなる
アクセスリンクになるので誤りです。
・どちらかがaccessであればアクセスリンクとなる
accessは、設定したポートを無条件にアクセスポートにするモードです。
アクセスリンクにはなりますが、設問の「自動でポートモードが決まる」という条件を満たせないので誤りです。
・どちらかがtrunkであればトランクリンクとなる
trunkは、設定したポートを無条件にトランクポートにするモードです。
トランクリンクにはなりますが、 設問の「自動でポートモードが決まる」という条件を満たせないので誤りです。
参考
スイッチのポートは、どのVLANに対応しているかという観点で「アクセスポート」と「トランクポート」に分類されます。
・アクセスポート
1つのVLANに対応。エンドユーザーのPCを接続するポートなどに利用される。(デフォルトはVLAN1)
・トランクポート
複数のVLANに対応。スイッチ同士やスイッチとルータを接続(VLAN間通信の際に利用)するポートなどに利用される。
トランクリンクではIEEE 802.1Qを使用して、VLAN情報を識別します。
【図:アクセスポートとトランクポート】
【IEEE 802.1Q】
IEEE 802.1Qは、フレームにVLANタグを付けるための規格です。
フレームにVLANタグを付けることにより、スイッチ同士やスイッチとルータ間で送受信するフレームがどのVLANに属しているかを識別できるようになります。
IEEE 802.1Qの主な特徴は以下の通りです。
・IEEE標準規格
・送信元MACアドレスとタイプの間にタグフィールド(4byte)を追加
・FCSを再計算
・ネイティブVLAN(VLANタグを付けないフレーム)をサポート
【図:通常のEthernetフレームとIEEE 802.1Qフレーム】
【DTP】
DTP(Dynamic Trunking Protocol)は、スイッチとスイッチを接続したポートでネゴシエーションして、スイッチのポートを自動的にトランクポート、またはアクセスポートとして動作させるCisco独自のプロトコルです。
【コマンド構文:スイッチポートモード変更(DTPの設定)】
(config-if)#switchport mode {access | trunk | dynamic {auto | desirable}}
【スイッチポートモードの組み合わせ】
【コマンド構文:DTPの無効化】
(config-if)#switchport nonegotiate
対向のデバイスによってはDTPが正しく動作しないことがあります。(DTPをサポートしていないデバイスもあるため)
そのためトランクポートにする場合は、「switchport nonegotiate」でDTPを止めて「switchport mode trunk」で手動でトランクポートにすることが推奨されています。
【コマンド構文:VLANカプセル化方式の指定】
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
【コマンド構文:トランクポートを通過できるVLANの変更】
【アクセスポートの設定例】
・Fa0/2をアクセスポートにして、VLAN20を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/2
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 20
・Fa0/5をアクセスポートにして、VLAN30を割り当てる
Switch(config)#interface FastEthernet 0/5
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 30
【トランクポートの設定例】
・Fa0/1のカプセル化方式を802.1Qにしてdynamic desirableモードにする
(対向とのネゴシエーションの結果トランクポートになる)
Switch(config)#interface FastEthernet 0/1
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode dynamic desirable
・Fa0/6のカプセル化方式を802.1Qにしてトランクポートにする
Switch(config)#interface FastEthernet 0/6
Switch(config-if)#switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)#switchport mode trunk
【アクセスポートとトランクポートの確認】
アクセスポートになっているのか、トランクポートになっているのかは「show vlan」「show interfaces trunk」「show interfaces status」「show interfaces switchport」などのコマンドで確認できます。
各コマンドの表示は以下のようになります。なお、いずれもFa0/1とFa0/6がトランクポートになっている場合の表示例です。
・show vlan
「Ports」の項目に表示されるポートがアクセスポート
「Ports」の項目に表示されないポートがトランクポート
・show interfaces trunk
「Port」の項目に表示されないポートがアクセスポート
「Port」の項目に表示されるポートがトランクポート
・show interfaces status
「VLAN」の項目がVLAN番号になっているポートがアクセスポート
「VLAN」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート
・show interfaces switchport
「Operational Mode」の項目がaccessとなっているポートがアクセスポート
「Operational Mode」の項目がtrunkとなっているポートがトランクポート
【ネイティブVLAN】
ネイティブVLANはIEEE 802.1Qでサポートしている機能です。
IEEE 802.1Qでは通常、フレームにタグを付けて送信しますがネイティブVLANにはタグを付けません。そのため、受信したフレームにタグが付いていない場合はネイティブVLANと判断できます。
これにより、IEEE 802.1Qに対応していない(タグを理解しない、タグ付け出来ない)デバイスとの互換性を持たせています。
ネイティブVLANは、スイッチを管理するトラフィック(CDPやSTPやDTPなど)の送受信で利用されます。
ネイティブVLANは「switchport trunk native vlan {VLAN番号}」コマンドで変更できます。変更していないデフォルトの状態ではVLAN1がネイティブVLANになっています。
dynamic desirable と accessの場合
問題の内容というよりかは日本語の理解力になってしまうのですが。。。
正解の選択肢
・いずれかがdynamic desirableであればトランクリンクとなる
この 「いずれかが」 の意味が正確に把握できません。
どちらか片方がdynamic desirableであれば、ということだと考えたのですが、「どちらかが」となにが違うのでしょうか。
dynamic desirable 対 access = アクセスポート
dynamic desirable 対 trunk = トランクポート
dynamic desirable 対 dynamic auto = トランクポート
dynamic desirable 対 dynamic desirable = トランクポート
解説の表にある通りaccessと相対するとアクセスポートになると思うので、「どちらかが」とは意味が異なっているのだとは思うのですが…。
質問は概念的な話になると思うのでうまく説明できていないかもしれません。
今回の場合、「いずれか」は「どちらか」という表記を使用するよりも2つともそうであるという可能性をはらんでいるように読み手は感じることができるので、「いずれか」という表記を使用しているのだと思います。
もしくは、単純に選択肢をみたときのみやすさを優先した結果、「いずれか」と表記したという可能性もあります。
解説の表にある通りaccessと相対するとアクセスポートになる
こちらに関しては、解説にもある通り「自動で」という前提があるので、accessとtrunkはスイッチに設定する際の選択肢に入ってこないので正解の選択肢であっています。
以上となります。
何かご不明点がありましたら、気軽にご質問ください。
コメント
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s sum_rou
2022/05/17 07:43
返信ありがとうございます。 前提の部分を完全に見落としていました。dynamic auto/desirable 同士の組み合わせで考えるべきだったのですね。