助け合いフォーラム
正解
扱う処理をUnitという単位で管理する
サービスの並列起動によって高速なシステム起動や停止が行える
cgroupsでプロセスのリソースを管理する
解説
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
したがって正解は
・扱う処理をUnitという単位で管理する
・サービスの並列起動によって高速なシステム起動や停止が行える
・cgroupsでプロセスのリソースを管理する
です。
その他の選択肢は以下のとおりです。
・扱う処理をジョブという単位で管理する
Upstartの特徴ですので誤りです。
・スクリプトで処理を実行する
SysVinitの特徴ですので誤りです。
参考
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。
シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)
SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。
各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。
systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます
主なサブコマンドの一覧
実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動
上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。
自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。
サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。
「systemdではcgroupsでプロセスを管理」の意味について
この問題の解説に以下の記載があります。
「SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。」
参考URL--Developers.IO「systemd超入門」にも、以下の記載があります。
PIDではなくcgroupによってプロセスを管理する
上記からは、systemdではPIDを使用していないと読める様に思います。---①
一方、RHEL8.8クローン(Rocky Linux8.8)では、psコマンドで
以下が表示されます。
(PIDが表示される)
[root@rocky01 /]# ps
PID TTY TIME CMD
2303 pts/0 00:00:00 bash
5069 pts/0 00:00:00 ps
(PID(-p引数)を利用できる)
[root@rocky01 /]# ps -p 1
PID TTY TIME CMD
1 ? 00:00:01 systemd
上記の実際のコマンド出力からは、PIDが使用されている様に見えます。---②
①と②は矛盾しているので、上記の理解は、どこかが誤っている
と思うのですが、正しい理解のしかたをご存じの方は
いらっしゃいますでしょうか。
もし、おられましたら、教えて下さい。
宜しくお願いします。
kz5835様
この問題の解説に以下の記載があります。
「SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。」
参考URL--Developers.IO「systemd超入門」にも、以下の記載があります。
PIDではなくcgroupによってプロセスを管理する
上記からsystemdではPIDを使用しないというのは、いささか飛躍しすぎている解釈な気がします。
実際にはどちらもPID:1でそれぞれinitプロセス(Sysvinit)、systemdプロセス(を実行)するそうです。
【初級者向け】Linuxシステムの起動 ~ SysVinit、Upstart、systemd ~
その後のプロセスの管理がPID単位で管理するのか、cgroupsでグループとして管理するのかということではないでしょうか?
参考にあるsystemd超入門にはこういった記載があります。
SysvinitではサービスをPIDによって管理していましたが、Systemdではcgroupによって管理します。
PIDの場合、プロセスが2回forkすると親プロセスと孫プロセスの直接的な関係性は切れますが、
cgroupの場合複数回のforkが発生しても管理下に置くことが出来ます。
このことから
・Sysvinitでは、親プロセスと孫プロセスの直接的な関係性が切れるためPID単位でしかリソースの管理ができない
・cgroupであれば、同一のグループに属するプロセスのリソースをすべて管理できる
と、上記のように自分は解釈いたしました。
調べていく中で参考になったサイトをいかに羅列しておきます。
SysVinit
cgroups
cgroups(Wikipedia)
systemctl stop serviceは何をしてくれるか
以上となります。
自分も勉強中の身で回答させていただき恐縮ですが、参考になれば幸いです。
また、ほかに不明な点や、不備があれば一緒に勉強させていただければと思いますので、
ご指摘いただければと思います。
コメント
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k kz5835
2023/08/03 05:39
EVa0082様 ご回答、貴重な情報のご提供、有難うございます。おかげ様で、理解することができました。宜しくお願いします。