助け合いフォーラム
正解
200.14.76.159
解説
選択肢のアドレスの第4オクテットを、全て2進数で表してみると・・・。
33→「001 00001」
64→「010 00000」
87→「010 10111」
98→「011 00010」
159→「100 11111」
254→「111 11110」
となります。
/27でサブネット化されているため、ホスト部は、下5ケタとなります。
ホスト部の値が全て「1」であるものは、「159」ですので、正解は「200.14.76.159」となります。
参考
数値の表記方法には「2進数」や「10進数」や「16進数」といった種類があります。
「0~17」をそれぞれの方法で表記すると以下のようになります。
[進数の考え方]
進数は「その数になったら次の位に繰り上がる」と考えるとわかりやすくなります。
例えば、2進数では「1」の次の数は「2」なので次の位に繰り上がり「10」となります。
10進数では「9」の次の数は「10」なので次の位(十の位)に繰り上がり「10」となります。
16進数では「F」の次の数は「10進数で数えて16」になるので次の位に繰り上がり「10」となります。
※「9」の次の数字は無いので16進数ではアルファベットの「A、B、C、D、E、F」を9に続く数字として使用します。16進数の「A」は10進数の10、16進数の「F」は10進数の15にあたります。
【10進数と2進数の変換方法】
さまざまな変換方法がありますが、ここでは簡単に以下の変換表を使います。
■2進数から10進数への変換
変換したい2進数の数値を変換表に入れて、「1」が入った部分を全て足します。(表には右詰めで入れます)
足した合計が10進数の数値になります。
例) 2進数の「10111」を10進数に変換する
答) 23
■10進数から2進数への変換
変換したい10進数の数値を変換表の大きい方から引いていき、引いた部分に「1」を入れます。
数値が0になるまで引いたときに、変換表に入っている「0」と「1」の並びが2進数の数値になります。
例) 10進数の「23」を2進数に変換する
答) 10111
【IPアドレスの構成】
IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」で構成されます。
ネットワーク部は、所属しているネットワークグループを示す部分です。
ホスト部は、そのグループの中のどれかを示す部分です。
ネットワーク部とホスト部の境界線はクラスごとに決められています。
クラスAは第1オクテット(8ビット)までがネットワーク部なので「/8」となります。
クラスBは第2オクテット(16ビット)までがネットワーク部なので「/16」となります。
クラスCは第3オクテット(24ビット)までがネットワーク部なので「/24」となります。
クラスDとEは特殊な用途のためネットワーク部とホスト部の区別はありません。
【サブネット】(サブネットワーク)
サブネットとは、ネットワークを分割したものです。
サブネット化(ネットワークを分割)するには、IPアドレスの「ホスト部」の一部を借用して「ネットワーク部」として扱います。
これにより、1つのネットワークアドレスで複数のネットワークを作成することができます。(ネットワークアドレスを節約できる)
【サブネットマスク】
サブネットマスクとは、ネットワーク部とホスト部を区別するための数値です。
サブネットマスクの表記方法にはCIDR表記(プレフィックス表記とも呼ばれる)、2進数表記(Binary表記)、ドット付き10進数表記(Dotted-decimal notation:DDN表記)があります。
CIDR表記では、何ビットまでネットワーク部なのかを表します。
2進数表記では、ネットワーク部を「1」、ホスト部を「0」で表します。
10進数表記では、2進数の表記を8ビットごとにドットで区切って10進数に変換して表します。
下図のように、2進数表記サブネットマスクにおける「1」と「0」の境界が、IPアドレスにおけるネットワーク部とホスト部の境界となります。
【サブネットマスク表記の変換手順(10進数表記とCIDR表記の変換)】
サブネットマスク「255.255.255.252」を例に、10進数表記とCIDR表記の変換手順を示します。
[10進数表記からCIDR表記]
まず、10進数表記を2進数表記に直し、ネットワーク部のビット数を数えます。
そして、数えたネットワーク部のビット数をCIDR表記の値とします。
[CIDR表記から10進数表記]
まず、CIDR表記を2進数表記にするためにCIDR表記の値だけ左から「1」を並べ、残りを「0」で埋めます。
そして、2進数表記を10進数表記にします。
【各表記法で表したサブネットマスク】
【サブネット計算】
サブネット(ホスト部からビットを借用して作られたネットワーク)に関する以下の情報は、提示されたIPアドレスやサブネットマスクを使用して算出します。
【ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスとホストアドレスの範囲の算出】
IPアドレスとサブネットマスクから「ネットワークアドレス」と「ブロードキャストアドレス」、「ホストアドレスの範囲」を算出できます。
以下では「192.168.1.122/27」というIPアドレスとサブネットマスクを例に説明します。
まずは、ネットワーク部とホスト部を確認するために「192.168.1.122/27」を2進数に変換します。
サブネットマスクが「1」の部分がネットワーク部になり、「0」の部分がホスト部になります。
ネットワークアドレスは、ホスト部が2進数で全て「0」になるアドレスなので「192.168.1.96」になります。
ブロードキャストアドレスはホスト部が2進数で全て「1」になるアドレスなので「192.168.1.127」になります。
ホストアドレスの範囲は、ネットワークアドレスの1つ後~ブロードキャストアドレスの1つ前までの範囲なので「192.168.1.97~126」になります。
【ホストアドレス数の算出】
サブネットマスクからホストアドレス数を算出できます。以下ではサブネットマスク「/27」を例に説明します。
まずサブネットマスク「/27」の2進数表記における「0」のビット数を確認します。サブネットマスクは32ビットなので、「32 - 27 = 5」として求められます。
次にサブネットマスクの「0」のビット数を「n」として、次の公式で計算します。
・ホストアドレス = 2のn乗-2
以上の通り、サブネットマスクが「/27」のときのホストアドレス数は「30」となります。
【サブネット数の算出】
「ホスト部から借用しているビット数」からサブネット数を算出できます。
以下では「192.168.1.122/27」というIPアドレスとサブネットマスクを例に説明します。
「192.x.x.x」はクラスC「/24」に該当します。つまり「192.168.1.x/27」は、ホスト部からネットワーク部に3ビット借用してサブネットを作成していることになります。
したがって、「192.168.1.x/27」で作成できるサブネットワークは「192.168.1.0/27」「192.168.1.32/27」「192.168.1.64/27」「192.168.1.96/27」「192.168.1.128/27」「192.168.1.160/27」「192.168.1.192/27」「192.168.1.224/27」の8つです。
またサブネット数は、ホスト部から借用しているビット数を「n」としたとき、次の公式から求められます。
・サブネット数 = 2のn乗
以上の通り、「192.168.1.122/27」のサブネット数は「8」となります。
【ホストアドレス数に合わせたサブネットマスクの算出】
ホストアドレス数に合わせた、適切なサブネットマスクは下記のように算出できます。
1.1つのサブネットに収容するホストアドレス数を確認
2.ホスト部に必要なビット数「n」を下記の式から求める
「2のn乗-2 ≧ ホストアドレス数」
3.「n」の最小値をホスト部のビット数としてサブネットマスクを表す
例:サブネット1つ当たりのホストアドレス数が300の場合
1.1つのサブネットに収容するホストアドレス数を確認
→「300」
2.ホスト部に必要なビット数「n」を下記の式から求める
「2のn乗-2 ≧ ホストアドレス数」
※このとき「-2」するのはネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除くためです。
→「2の9乗-2 ≧ 300」(n ≧ 9)
ホスト部が9ビット以上あれば、300のホストアドレスを収容できることがわかります。
なおホスト部が9ビットのとき、収容できるホストアドレス数は「510」です。(2の9乗-2)
3.「n」の最小値をホスト部のビット数としてサブネットマスクを表す
2進数表記の場合はネットワーク部を「1」、ホスト部を「0」として、8ビット区切りの2進数で表します。
→「11111111.11111111.11111110.00000000」(「n」の最小値は9なので「0」が右から9個並ぶ)
CIDR表記の場合はネットワーク部のビット数を「/」の後に書きます。
→「/23」
10進数表記の場合は2進数表記を変換します。
→「255.255.254.0」
クラスAの範囲について
クラスAの範囲で気になることがあります。
クラスAの範囲は0(00000000)127(01111111)なのは承知の上なのですが、ある書籍には0126と記載されていました。
その理由は127はループバックアドレスであるため、クラスAの範囲から除外と記載されてあったので、正しくは0~126がクラスAの範囲でお間違いないのでしょうか?何卒、お力添えの程よろしくお願いいたします。
「除外」という言葉がどのような文脈で使われたのか分かりませんが、クラスAの定義は「IPアドレスの先頭の1ビットが0」なので、クラスAの範囲は「0.0.0.0 ~ 127.255.255.255」 が正しいです。
127.0.0.1 とかはループバックで使うので「予約」されている。みたいな文脈で「除外」という言葉が使われたのかもしれないですね。
コメント
ある書籍には0126と記載されていました。
「ある書籍」の話についてはその書籍の発行元に聞いてもらうしかないとして。
正しくは0~126がクラスAの範囲でお間違いないのでしょうか?
クラスの定義はRFC 791のSection 3.2に記載があります。
Address Formats:
High Order Bits Format Class
--------------- ------------------------------- -----
0 7 bits of net, 24 bits of host a
そして、127.0.0.0/8についてはRFC 1122のSection 3.2.1.3に記載があります。
3.2.1.3 Addressing: RFC-791 Section 3.2
There are now five classes of IP addresses: Class A through
Class E. Class D addresses are used for IP multicasting
[IP:4], while Class E addresses are reserved for
experimental use.
(略)
We now summarize the important special cases for Class A, B,
and C IP addresses, using the following notation for an IP
address:
(略)
(g) { 127, <any> }
Internal host loopback address. Addresses of this form
MUST NOT appear outside a host.
似た記述としてRFC 6890 Section 2.2.2がありますね。
+----------------------+----------------------------+
| Attribute | Value |
+----------------------+----------------------------+
| Address Block | 127.0.0.0/8 |
| Name | Loopback |
| RFC | [RFC1122], Section 3.2.1.3 |
| Allocation Date | September 1981 |
| Termination Date | N/A |
| Source | False [1] |
| Destination | False [1] |
| Forwardable | False [1] |
| Global | False [1] |
| Reserved-by-Protocol | True |
+----------------------+----------------------------+
[1] Several protocols have been granted exceptions to this
rule. For examples, see [RFC4379] and [RFC5884].
Table 4: Loopback
ざっくりまとめてしまうと「クラスAの最後の8bit分(先頭が10進数で127)となるアドレス範囲はホスト内部のループバックアドレスとして使用する」と規定されているだけで「クラスAに属さない」とはなっていません。(逆に127.0.0.0/8がクラスAではないのであればどのクラスに属するのかが知りたいなと思いますね)
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