助け合いフォーラム
LPIC Lv1-101(Ver5.0)
問題ID : 3627
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systemdの動作するシステムにおいて、シングルユーザーモードで起動したい。適切なカーネルパラメータはどれか
正解
systemd.unit=rescue
解説
systemdが動作するシステムにおいて、起動時のターゲットを指定するカーネルパラメータは systemd.unit です。systemd.unit パラメータの値に起動時のターゲットを指定します。ターゲット名は .target を省略することができます。
ランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
シングルユーザーモードに対応するランレベルは1で、systemdでのrescue.targetの起動に相当します
よって正解は
・systemd.unit=rescue
です。
その他の選択肢については以下の通りです。
・systemctl single
systemctlというカーネルパラメータは存在しません。systemctlは起動中のシステムのsystemdを制御するためのコマンドです。また、singleというサブコマンドは存在しません。
なお、カーネルパラメータにsingleを指定するとrescue.targetを起動しますが、systemctlというカーネルパラメータの指定をしていることから適切とは言えません。
・systemd.unit=single.target
シングルユーザーモードに対応するsystemdのターゲットは rescue.target です。single.targetというUnitは存在しないため、誤りです。
・systemd.target=single
・systemd.target=rescue.target
systemd.target というカーネルパラメータは存在しないため、誤りです。
ランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
シングルユーザーモードに対応するランレベルは1で、systemdでのrescue.targetの起動に相当します
よって正解は
・systemd.unit=rescue
です。
その他の選択肢については以下の通りです。
・systemctl single
systemctlというカーネルパラメータは存在しません。systemctlは起動中のシステムのsystemdを制御するためのコマンドです。また、singleというサブコマンドは存在しません。
なお、カーネルパラメータにsingleを指定するとrescue.targetを起動しますが、systemctlというカーネルパラメータの指定をしていることから適切とは言えません。
・systemd.unit=single.target
シングルユーザーモードに対応するsystemdのターゲットは rescue.target です。single.targetというUnitは存在しないため、誤りです。
・systemd.target=single
・systemd.target=rescue.target
systemd.target というカーネルパラメータは存在しないため、誤りです。
参考
systemdはSysVinitを置き換える新しいinitの仕組みです。systemdでは以下のデーモンプロセスが連携して動作しています。
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。
シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)
SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。
各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。
systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます
主なサブコマンドの一覧
実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動
上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。
自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。
サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。
systemdで扱う処理はUnitという単位で管理します。Unitは設定ファイルであり、Unitの設定に従ってsystemd自体が処理を実行します。SysVinitのようにスクリプトを実行するわけではありません。
Unitには各機能ごとに拡張子が割り当てられており、拡張子を見ることでどういった機能のためのUnitかが判別できるようになっています。
また、SysVinitではプロセスをPIDによって管理していましたが、systemdではcgroupsというLinuxカーネルの機能によってプロセスのリソースを管理できます。
systemdはUpstartと同様、各サービスを並列起動することができます。そのため、順次起動していくSysVinitに比べて高速なシステム起動や停止が行えます。
システム起動時に最初に読み込まれるUnitは「/etc/systemd/system/default.target」です。「default.target」をSysVinitでのランレベルに相当するUnitへのシンボリックリンクとして作成することで、期待するサービス群を起動できるようになります。
シンボリックリンクとは、Windowsでのショートカットのようなもので、元ファイルの場所を指し示すリンクの事です。シンボリックリンクが持っている情報は「元ファイル(ディレクトリ)がどこにあるのか」というパス情報のみです。
シンボリックリンクを作成するにはlnコマンドに「-s」オプションを付加して作成します。(書式:ln -s 元ファイル リンクファイル)
SysVinitのランレベルとsystemdのターゲットは以下のように対応しています。
これらのターゲットは「/lib/systemd/system」配下に格納されています。また、SysVinitとの関連がわかりやすいように、runlevel0.target〜runlevel6.targetまでのシンボリックリンクも用意されています。
ランレベル3:マルチユーザーモード(テキストログイン)からランレベル5:マルチユーザーモード(グラフィカルログイン)に切り替えるには以下のようにdefault.targetを切り替えます。
各サービスの稼働状況や起動設定を管理するにはsystemctlコマンドを使用します。systemctlコマンドの書式は以下のとおりです。
systemctl サブコマンド [ Unit名 ]
※Unit名に拡張子がない場合、.serviceの拡張子を持つUnitが指定されたものとみなされます
主なサブコマンドの一覧
実行例:Webサービスの自動起動設定と、手動起動
上記実行例を見ると、「/usr/lib/systemd/system/httpd.service」のシンボリックリンクが「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/httpd.service」に作成されているのがわかります。これは、systemdが .target Unitの実行時に、「/etc/systemd/system/[実行ターゲット名].wants」ディレクトリを参照し、格納されているUnitを自動起動するようになっているためです。例えばgraphical.targetを実行する場合、「/etc/systemd/system/graphical.target.wants」ディレクトリを参照します。
上記実行例の場合、multi-user.targetの起動時にhttpd.serviceというWebサービスを制御するUnitが実行されるように、systemctlが自動でシンボリックリンクを「/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/」配下に作成しています。
自動起動設定がどのターゲットに対して有効となるかは、各Unit定義ファイルに記述されています。httpd.serviceファイルの中では、以下のとおりmulti-user.targetで有効となるよう[WantedBy]項目に記述されていることがわかります。
サービスの自動起動を無効にすると、作成されたシンボリックリンクが自動で削除されます。
systemd.unitとsystemctl set-defaultの違いは何ですか?
投稿日 2022/11/26
起動時のターゲットを指定するカーネルパラメータはsystemd.unit=graphical.target
と指定する、とありました。
しかし、systemctl set-default graphical.target
でも次回起動時のターゲットを指定することができるかと思います。
そのため、systemd.unit
とsystemctl set-default
の違いがよくわかりません。
ご存知の方ご教授いただけますと幸いです。
2022/11/26 15:45
system.unit はカーネルパラメーターで、systemctl set-default はコマンドであるという違いがあります。結果は同じでも使いどころが違うということです。
コメント
この投稿に対して返信しませんか?
t tsuyumi_s
2022/11/28 10:16
system.unitは変数の内容を指定していて、systemctl set-default は設定するためのコマンド、ということですね!