助け合いフォーラム
正解
ボリュームゲートウェイ(保管型)は全データのアクセス先がオンプレミスなので、低レイテンシーでのアクセスが可能である
ボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)はアクセス頻度の高いデータのみをオンプレミスに保持するため、オンプレミスのボリュームストレージの容量を最小限にできる
解説
AWS Storage Gatewayのボリュームゲートウェイには「キャッシュ型」と「保管型」があります。
・キャッシュ型(キャッシュボリューム)
すべてのデータをS3に保存し、高頻度アクセスのデータのみオンプレミスのキャッシュストレージにコピーします。データがキャッシュ上に存在しない場合はS3へアクセスするので遅延が発生しますが、オンプレミスのストレージ容量を抑えることができます。
・保管型(ストアドボリューム)
すべてのデータをオンプレミスのボリュームストレージに保存し、S3に非同期でバックアップを保存します。キャッシュ型とは異なり全データのアクセス先がオンプレミスなので、S3へのアクセスによる遅延が発生しません。
以上より正解は
・ボリュームゲートウェイ(保管型)は全データのアクセス先がオンプレミスなので、低レイテンシーでのアクセスが可能である
・ボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)はアクセス頻度の高いデータのみをオンプレミスに保持するため、オンプレミスのボリュームストレージの容量を最小限にできる
です。
その他の選択肢については以下の通りです。
・ボリュームゲートウェイ(保管型)のリストア先はオンプレミスのボリュームストレージのみである
ボリュームゲートウェイ(保管型)のリストアはオンプレミスの他、EBSへも可能なので誤りです。
・ボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)のリストア先はAmazon Elastic Block StoreかAmazon Elastic File Systemを選択できる
ボリュームゲートウェイ(キャッシュ型)のリストア先はオンプレミスまたはEBSであり、EFSを選択することはできませんので誤りです。
・ボリュームゲートウェイでは保管型・キャッシュ型に関わらずNFS、SMB、iSCSIを選んで利用できる
ボリュームゲートウェイではNFS、SMBは利用できませんので誤りです。
なお、ボリュームゲートウェイはiSCSI(Internet Small Computer System Interface)というプロトコルでストレージ(S3)へ接続します。
参考
【AWS Storage Gateway】
AWS Storage Gatewayは、オンプレミス(自社環境)からAWSのストレージサービスへのアクセスを高速かつセキュアに行うことができるサービスです。堅牢性・耐久性に優れたS3をファイル共有ストレージとして利用したり、災害対策を目的としたバックアップやアーカイブを行ったり、あまりアクセスされないデータを自社サーバーからAWSへ移動させるなど、様々なケースで利用することができます。
なお、頻繁に利用するデータは高速なストレージに保存し、反対に利用頻度の低いデータを安価・低速なストレージに配置することをストレージの階層化といいます。利用頻度に応じて性能の異なるストレージを使い分けることで、コストとパフォーマンスを両立させることができます。
Storage GatewayそのものはS3やEBSなどのようなストレージではありません。Gateway(規格の異なるネットワーク間を中継して接続する機器)の名が示す通り、オンプレミスとAWSのストレージサービスとを橋渡しする役目を持つサービスです。ユーザーはStorage Gatewayを利用することによって、Amazon S3やGlacierなどのストレージサービスをデータの保存先として選択することができます。
Storage Gatewayには3つのゲートウェイタイプが用意されています。
●ファイルゲートウェイ
オンプレミスからNFS(Network File System)またはSMB(Server Message Block)を使用してAWSストレージへアクセスできるサービスです。NFSとSMBは、どちらもサーバーなどへ保存されたファイルを複数のクライアントで共有するためのネットワークプロトコル(通信手順)です。NFSは主にUNIX系OSに使用されており、SMBは主にWindows系OSに使用されています。
・S3ファイルゲートウェイ
オンプレミスからNFSまたはSMBを使用して、S3バケットへアクセスできるようにするゲートウェイタイプです。ローカル(オンプレミス)にキャッシュストレージを持つため低レイテンシでのアクセスも可能です。
・FSxファイルゲートウェイ
オンプレミスからSMBを使用して、FSx for Windows File Serverへアクセスできるようにするゲートウェイタイプです。S3ファイルゲートウェイと同じく、ローカルにキャッシュストレージを持つため低レイテンシでのアクセスも可能です。
●ボリュームゲートウェイ
S3をiSCSI接続のブロックストレージボリュームとして提供します。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)とはコンピュータのストレージを接続するSCSIプロトコルをTCP/IPで実現したもののことで、サーバーはiSCSIで接続されたストレージ(Storage Gatewayの場合はS3)をローカルディスクとして使用します。
ボリュームストレージ上のデータは任意のタイミングでS3にEBSスナップショットとして保存可能なので、災害対策や定期的なバックアップに利用できます。
・キャッシュ型(キャッシュボリューム)
すべてのデータをS3に保存し、高頻度アクセスのデータのみオンプレミスのキャッシュストレージにコピーします。データがキャッシュ上に存在しない場合はS3へアクセスするので遅延が発生しますが、オンプレミスのストレージ容量を抑えることができます。
・保管型(ストアドボリューム)
すべてのデータをオンプレミスのボリュームストレージに保存し、S3に非同期でバックアップを保存します。キャッシュ型とは異なり全データへのアクセス先がオンプレミスになるので、S3へのアクセスによる遅延が発生しません。
●テープゲートウェイ
物理テープストレージの代替として利用できるサービスです。VTL(Virtual Tape Library:仮想テープライブラリ)に対応したソフトウェアを介して、S3やGlacierにバックアップデータを保存することができます。
テープ(テープストレージ)とは磁気テープを用いたストレージです。HDDやSSDのようなディスクストレージとは異なり、大容量で安価、かつ長期的なデータ保存に向いているため、アーカイブやバックアップ用途として利用されます。
テープゲートウェイを利用することにより、オンプレミスで新規に物理テープを用意したりテープの切り替えを行うなど、テープの操作や管理をする必要がなくなります。また、アーカイブ先としてGlacierとも連携しているため、よりコストを削減できます。
ボリュームゲートウェイ(保管型)のデータについて
問題の意図からズレる質問かもしれませんが以下回答で、なぜオンプレミスに持つデータがマスターではなくコピーとなるのでしょうか?
・ボリュームゲートウェイ(保管型)はデータのコピーをオンプレミスに持つため低レイテンシでのアクセスが可能である
データの更新があった場合はS3にあるデータに更新が行われ、それがオンプレミスに反映されるのでしょうか?
AWSのサイトに
Q: ボリュームゲートウェイとは何ですか?
(中略)
保管型モードでは、プライマリデータはローカルに保存されてデータセット全体が低レイテンシーのアクセスのために使用可能となり、非同期に AWS にバックアップされます。
https://aws.amazon.com/jp/storagegateway/faqs/
とあるので、オンプレミスのデータがマスターのようです。
該当問題の解説にも
・保管型(ストアドボリューム)
すべてのデータをオンプレミスのボリュームストレージに保存し、S3に非同期でバックアップを保存します。キャッシュ型とは異なり全データへのアクセス先がオンプレミスになるので、S3へのアクセスによる遅延が発生しません。
とあるので、選択肢の書き方がおかしいですね……。
コメント
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n naka35
2023/03/09 18:47
返答ありがとうございます。 リンク先を見るとそうでうよね。